研究紀要第31号 児童・生徒の学習能力の発達と授業に関する研究 - 020/043page

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していることがわかる。

イ たずねること
 これは,特に教師のねらいにしたことではないが,参考作品にでていたので,その影響の有無,そして,相手意識を知る手がかりのためにとりあげてみた。やや,ふえているが,大きな変化はない。こちらのことを知らせ,そのことについてそちらはどうですか,と書くタイプの子が2人見られた。

ウ 相手との思い出
 このことは,教師が二度,「相手の人と一緒にしたこととか,思い出とか入れると,よむ人が楽しく読める………」という指導をしている。これは多くの子が,友達あての手紙であり,遊んだことなども入れることができるだろうという予想をしたものと思われる。また,イと同じように相手とのつながりを深めたり,一本調子の手紙になることをさけるというねらいもあったのであろう。
 16人増えているが,これは,なかなか書きたすことがむずかしいようである。単にことがらをつけたすのとちがって,話題の自然なつながりと,実際に相手との共通経験に,とりたてるべきことがないと書けないからである。

エ 段落のまとまり
これは,本時の中心のねらいである。24人の子が段落ごとにまとめて書くことができるようになっている。5名の子がよくなかったが,これはある箇所を,一文一段落にしたもの,形式の面で一字下げが完全でなかったものである。ひとりひとりの作品にあたって,具体的に指導することが大切であると考える。

オ 書式
 これは,事前にはどの子も完全でなかったが,授業後は全員よくなっている。形の上で,まねればよいのだから当然とも言える。

カ 書き出しとむすび
 授業後は,10名以外は,「○○さんお元気ですか」ではじまり,「さようなら」で結んでいる。
相手により,もっとちがった書き出しの工夫をさせるようにしたいものである。

キ 常体・敬体
これは,統一するように指導はしていない。あらたまった感じの時敬体になり,相手,(友だち)と,心が近寄ったとき,自然と常体で話しかけて

〈事前と事後の手紙文の比較〉

ことがらの数
たずねることの数
相手との思い出
段落のまとまり
書式
お元気ですか/
さようなら○
常体/
敬体○
表記
1
2
2
0
0
×
×
×
×
 
×
×
2
4
5
1
1
×
×
×
×
3
2
4
1
1
×
×
×
×
4
2
3
1
1
×
×
×
5
3
4
3
2
×
×
×
×
6
3
4
2
2
×
×
×
 
×
×
7
2
3
2
2
×
×
×
8
1
3
0
1
×
×
×
9
5
6
0
2
×
×
×
10
4
4
3
2
×
×
×
×
11
2
4
0
0
×
×
×
×
12
2
3
0
0
×
×
×
×
13
3
6
0
2
×
×
×
×
×
14
3
5
1
2
×
×
×
×
×
15
1
4
1
0
×
×
 
16
3
6
0
1
×
×
17
3
4
0
1
×
×
×
18
2
2
0
0
×
×
×
19
3
3
0
1
×
×
×
20
5
5
0
3
×
×
×
 
×
21
4
6
0
2
×
 
×
22
3
3
0
0
×
×
×
×
×
23
2
4
1
1
×
×
×
×
×
24
2
3
2
1
×
×
×
×
25
4
7
1
2
×
×
 
26
5
4
3
3
×
×
×
×
27
2
5
2
2
×
 
×
28
3
4
2
2
×
×
×
×
29
3
3
2
3
×
×
×
30
1
4
3
3
×
×
×
31
4
3
1
1
×
×
×
32
1
6
0
3
×
×
×
33
3
4
0
2
×
×
×
34
3
6
0
2
×
×
35
1
2
1
1
×
×
×
×
36
3
5
2
3
×
×
×
37
4
4
3
3
×
×
×
×
×
 
38
4
3
1
1
×
×
×
×
39
3
4
0
0
×
×
40
3
5
0
0
×
×
×
×
 
113
165
33
58
9
25
11
35
0
40
 
 
 
 
21
37

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