研究紀要第31号 児童・生徒の学習能力の発達と授業に関する研究 - 025/043page

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○社会現象を観察したり,調査したりして学習に必要な資料を集めたり,メモをとる。
○新聞,雑誌,パンフレット,参考図書の中から学習に必要な事項を収集してメモできる。
○教科書,地図帳,資料集をうまく活用できる。

(2) 資料を選択(収集の吟味)する力
○学習のねらいに対応しているかどうか,またどの部分に有効かを吟味することができる。
○資料の新旧や全体と部分との関係を考え,有効性と限界性が吟味できる。
○資料のたしかさを考えて,出典を確かめたり,作成の意図が吟味できる。

(3) 資料を読みとる力
○文章資料や統計資料などから,事実を読みとることがで'きる。
○資料から傾向性や特色を読みとり,推論することができる。
○資料のもつ有効性と限界性に気づき,他の資料で補充することができる。
○問題を見つけたり,解釈したり,推論したり,関係を考えるときに資料を使っていくことができる。
○いくつかの資料を関連づけて,一つの社会事象を多角的にとらえていくことができる。

(4) 資料を作成する力
○収集した資料を学習の目標に対応して再構成することができる。
○きまりを正しく使って資料を作成することができる。

 評価の方法としては
(1)観察法

(2)発問法

(3)作品分析

(4)ペーパーテスト

3 研究対象

 小学校第6学年(35名)を対象とし,単元「世界の自然と生活」から,小単元「わたしたちの住む地球」(9時間)の実践を通して,資料活用力の評価のあり方を考察していきたい。
 評価論の空転でなく,指導と評価の一体化をさぐる実践としたいと考えた。
 研究対象校は,創立11年目の胎動期にあり,新興住宅地の中にあって,地域全体がめまぐるしく変化発展している。
 児童たちは,社会科学習に対して興味をもち,参考書,地図帳,年表などから得る知識は豊かであるが,それらを組み合わせて問題を解決していく力や,丹念に一つの問題に対して資料を活用していく力は十分とはいえない。

4 指導の実際

(1) 小単元名

「わたしたちの地球」

(2) 概観

@ 単元の目標

ア 地球儀,地図そのほかの資料を活用しながら,世界の自然と我が国との違い,地形,気候,人口分布の特色や日本と関係の深い国などをは握させ,世界の特色ある気候条件のもとで暮らしている人々の,自然に順応したり,対応したりしている姿をとらえさせる。

イ 地球儀の意味を知り,地球儀,地図,写真なども有効に活用したり,相互に関連づけたりして,学習課題を追求させる。
 そこで,この小単元では,
ア 世界の水陸の分布や地形,気候,人口分布の概略をとらえる力。

イ 世界には,我が国とくらべて,さまざまな自然環境のちがっている地域があることに気づく力。

ウ 世界をみる新しい尺度の必要性や,正しい世界観を持つ力。

エ 資料(地球儀,地図,気候図,写真,グラフ)を活用する力。
の育成を目ざすことにした。


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