研究紀要第31号 児童・生徒の学習能力の発達と授業に関する研究 - 026/043page
A 内容構造
大きな流れとして
○ 地球儀と平面地図から,世界の人口分布に進み,人口の多い地域,少ない地域は,気候帯に関連があることをつかませる。
○ 人口の分布状態は,単に気候帯との関連だけでなく,もう一方の流れの地球の表面のようすから,世界の地形の概要をおさえ地形と気候帯との関連へとせまるように構造づけた。
○ 人口分布,気候区分,地形,産業とは相互に関連があることを確認させ,気候のちがいに焦点をおいて,全体の関連と意味づけを考えさせるようにした。
(3) この単元で育成したい資料活用能力
@ 資料の収集,選択の能力として
ア 地球儀は,地球上の位置や他地域との関係的位置を正しくとらえるために活用できるようになること。
イ 面積を正しくみるためには,不適切なメルカトル地図などは利用しないこと。
ウ 世界の地形の概観を知るために,地球儀や各種の地図をよく吟味して利用することができるようになること。
エ 世界の地形や気候の特色が具体的にわかる写真や絵や文章などを集めて利用できること。
オ 世界の人口について,地図帳や年鑑などの統計を集めることができること。また,人口分布図も利用すること。
カ 気候帯の特色をとらえるために,気候グラフを対比したり,気候図を利用すること。
A 資料の読みとり,作成する能力として
キ 資料(写真,絵,スライドなど)を見るだけでなく,どんなことがわかるか,何が感じられるかなど想像したりして,問題を考察する上に効果的にとらえることができる。
ク 地図から,あらわそうとしていることがらを読みとることができ,他の地図とも比較,対比して読みとることができる。
ケ 集めた資料を学習課題に即していかすことができる。
コ 世界の主な山地,川,平野などを白地図にまとめることができる。
サ 世界の人口分布や気候帯を色分けなどしてかくことができる。
以上の資料活用能力の要素を,単元展開するにあたり,記号(ア,イ,……)を展開案に位置づけて指導することにした。
(4) 資料に関する意識の調査
この単元を学習するにあたって,下記の項目により調査した。