研究紀要第31号 児童・生徒の学習能力の発達と授業に関する研究 - 035/043page

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な発言は少なかった。
○大陸別に平野の位置をとらえさせる場合,大陸のどのあたりにあり,どのような広がりをもっているかという観点で,広さや位置関係をとらえさせるようにした。しかし児童は,川の名など知識として理解しがちだったため,次時でもとり扱うことにする。
○作品(白地図)による評価は,授業後に行ったが,作品そのもののよしあしでなく,地勢の概要が正しく位置づけられているかを評価した。

〈第7時〉

@ 学習課題の確認

T1 前の時間で「世界の地形」を学習したね。
六大陸と三大洋を話すことができますか。
〈挙手28名〉
C1 ユーラシア大陸,アフリカ大陸,北アメリカ大陸,南アメリカ大陸………
T2 きょうの学習課題はこれですね。
−課題を書いた小黒板提示−
読んでみましょう。
C2 世界にはどの位の人がいて,どの地域に多く生活しているか。

前時の学習である地形を,世界地図で概観させた。挙手による評価を行なった結果80%の反応を得たので,ただちに本時の学習課題の確認をした。前時の学習事項を想起させるために,世界地図を掲示したが,学習課題の「どの地域」を考える上でも児童は,手がかりになったと考えられる。


A 課題解決の方法

T1 この学習課題を解決していくのに,どんなことがらを調べたらよいでしょう。
〈挙手25名〉
C1 世界にどの位の人がいるかがその一つです。
C2 世界の総人口を調べることです。
T2 そうですね。それから〈挙手10名〉
C3 その人口の多いところは,どこかです。
C4 州別の人口
C5 どうして,そこに人口が多いのかも調べる。
T3 もう一つは,地域ということで,どの地域に多く集中しているかを調べていきましょう。○○州のどのあたりが多いかな。

T1の発問に対してより,T2の発問に対する反応が少ないのは,C3は「どこか」,C4は「州別」というように,「どの地域」のは握が,足りなかったからであろう。T3はそこで補足したわけである。


B 資料の収集と選択(吟味)

T1 これらのことを調べるのは,みなさんはどんな資料を用意しましたか。
C1 地図帳,社会科資料集などです。
C2 教科書の中から
C3 学習年鑑です。
T2 それでは,世界の人口を調べるには,みなさんが持ってきた地図帳,社会科資料,教科書などのどこにその資料がありますか。
C4 地図帳の57ページの各国の人口表
C5 社会科資料集89ページです。
−世界の人口分布,州別人口の割合などの4図が掲載されている−
C6 地図帳の47ページのDの資料です。
C7 教科書の15ページの上のらんの円グラフがあります。
T3 たくさん出ましたが,そのほかのみなさんは,どれを選びましたか。手を上げてください。
−観察(挙手)による−〈評価1〉
T4 みなさんが選んだわけを発表してください。
C8 教科書の資料がいいと思います。そのわけは,1973年の統計で,資料集のほうは下


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