研究紀要第31号 児童・生徒の学習能力の発達と授業に関する研究 - 036/043page

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には1975年と書いてありますが,円グラフの中をみると,1972年となっているので,教科書より1年まえの人口になります。
C9 地図帳のDの資料は,1970年の世界の人口で,これは1973年より前なので,やはり教科書の資料がいいと思います。
−つぶやきが多い。−
T6 世界の人口を調べる資料がみつかりましたね。では,人々はどの地域に多く住んでいるか何で調べたらよいでしょう。
C12 世界の人口分布図です。〈挙手30名〉
C11 教科書14ページにのっています。
C12 資料集89ページにもあります。
T7 人口分布図をここに用意しましたので,いっしょに,これで調べていきましょう。
−OHP(人口分布図)投写−

予習としての資料の収集を試みたが,持参されたものを観察すると,真新しいものはなかった。これは十分に活用される教科書,資料集,地図帳が常に所持されているためと思われる。

〈評価1〉
世界の人口を調べるために選んだ資料

○各国の人口表 
2人
○世界の人口分布図 
0人
○州別人口(総人口含む) 
8人
○世界の人口 
20人
○世界の人口年鑑 
5人

 世界の総人口を調べるのに,教科書の資料を選択した児童は60%台であり,これは,統計年度の新しい資料がのぞましいという考えに立っているものと思われる。残りの40%の児童は,世界の総人口がわかる資料であればよいと考えているのだろうか。そこで,T7は児童に資料を選択した理由を述べさせることにより,問題解決にあった資料を選択する力をのばそうとする意図があったからである。
 この場合の資料の選択の着眼点は,C8,C9の発言でよいと考える。この児童の発言は,資料の収集・選択をする際に,大きな示唆を与えたものと思う。


C 資料の読みとり

−課題についての予想後−
T1 世界にはどの位の人々が住んでいますか。
C1 教科書の世界の人口の資料から,38億6千万人ということがわかります。
〈挙手25名〉
C2 38億6千万人という概数だから,約39億人といってもよいと思います。
T2 そうですね。1973年の統計によると世界人口は,約39億人ですね。
−再びOHPで人口分布図を投写−
T3 これは,世界の人口分布図ですね。一点が十万人です。この資料から,世界の約39億人の人々が,どの地域に多く住んでいるかを読みとって,学習カードに書いてみましょう。そのほか気づいたことも書いてみましょう。〈評価2〉
−観察(巡視)による−
C3 アジア州の南から東部にかけての地域とヨーロッパの北西部です。
C4 それから,北アメリカの東部のあたりです。
C5 そんなに多くはありませんが,南アメリカの東部のあたりや………
T4 特に多く集まっている地域は,この辺ですね。
−人口分布図上で確認−
T5 この地域には,どうして多くの人が集まって生活しているのでしょう。前時に学習した地形などから考えてみましょう。
C6 あまり不便でないところです。
C7 平地とか。
C8 やはり住みやすいところ。


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