研究紀要32号 教師の教育相談的態度の実態調査とその考察 - 010/020page
C 調査対象者の教職経験年数別・担任別
教職の経験年数については,21年以上の経験者が40%と一番多かったが,残りは学生を除いていいずれも10%以上を占め,この点からは問題がないと思われる。また,表6の学級担任・教科担任の有無についても,学級担任と教科担任は合わせて79%となり,児童・生徒を直接に指導する者の考えをおおむねキャッチできるデーターを得られたものと思う。さらに,担任なしの教員15%の内訳は,校長・教頭・養護教諭であり,前者との比較には十分な数が得られたと思われる。
表5.調査対象者の教職経験年数
年数 男 (%) 女 (%) 計 (%) 〜5
36 (9)
52 (17)
88 (13) 6〜10
48 (12)
48 (16)
96 (14) 11〜15
67 (17)
45 (15)
112 (16) 16〜20
58 (14)
23 (8)
81 (11) 21〜
192 (48)
91 (31)
283 (40) 学生
0 (0)
40 (13)
40 (6) 合計
401 (100)
299 (100)
700 (100)表6.調査対象者の担任経験の有無
担任種別 男 (%) 女 (%) 計 (%) 学級担任
239 (60)
231 (78)
470 (67) 教科担任
82 (20)
6 (2)
88 (12) 担任なし
80 (20)
22 (7)
102 (15) 学 生
0 (0)
40 (13)
40 (6) 合 計
401 (100)
299 (100)
700 (100)D 生徒指導係の経験の有無別
表7に表わされたように,調査者の45%が,現在あるいは過去において生徒指導の何らかの係を経験している。しかし,未経験者はこれより多く,約半数に達しており,このことは,生徒指導の重要性が声高に叫ばれている半面,実践面では大きな改善が加えられておらず,一部のベテランによってのみ支えられている感がうかがえる。特にこの傾向は女性教師に強く表われ,生徒指導係の未経験者は男子教員の38%に対して実に2倍に近い67%に達していることは,今後の大きな課題となるのではなかろうか。
表7.生徒指導係の経験の有無
男 (%) 女 (%) 計 (%) 学級担任
132 (33)
27 (9)
159 (23) 過去に
118 (29)
34 (11)
152 (22) 経験なし
151 (38)
198 (67)
349 (49) 学 生
0 (0)
40 (13)
40 (6) 合 計
401 (100)
299 (100)
700 (100)E 教育相談係の設置の有無
教育相談係の校内設置の有無については,表8に掲げたとおりである。この表からわかるように,小・中・高・特殊学校の相談係の校内設置の有無の比率の違いは,ことのほか大きい。すなわち,小学校では"無し"が70%,"有り"が30%,幼稚園では同じく95%対5%と,無しが有りを大きく上わまっている。しかし,その他の学校では,逆に"有り"が"無し"を上わまっており,このことから,中学校・高等学校・特殊学校では教育相談の必要性が年々たかまり,その組織化が一般化してきていることがうかがえる。したがって,今後の改善の目標としては・幼児・児童およびその父母を教育相談の対象とする,幼稚園,小学校における教育相談のありかたと,体制のありかたが問われよう。
表8.教育相談係の設置の有無
男 (%) 女 (%) 計 (%) 小学校
100(30)
235 (70)
335 (100) 中学校
100 (76)
32 (24)
132 (100) 高等学校
73 (61)
47 (39)
120 (100) 特殊学級
7 (78)
2 (22)
9 (100) 幼稚園
3 (5)
61 (95)
64 (100) 学生
0 (0)
40 (100)
40 (100) 合計
283 (40)
417 (60)
700 (100)F 教育相談活動の状況(学校種別・地区別)
教育相談の活動の状況については,表9に示すとおりの結果を得た。これによれば,"非常に活発"