研究紀要32号 教師の教育相談的態度の実態調査とその考察 - 012/020page
談の研修のありかたも,小学校・幼稚園の,早期教育学校の教職員を対象とした講座の,なお一層の充実が必要となろう。
6.スクール・カウンセラー・テストの集計・分析・考察
@ スクール・カウンセラー・テストからの傾向分析について(全体・男女別・学校種別)
表11から表13までは,スクール・カウンセラー・テスト(以下カウンセラー・テストと呼ぶ)の回答傾向の集計である。
表11.テスト集計(全)
傾 向 回答(%) 評価的な態度 1658(24) 解釈的な態度 1368(20) 支持的な態度 1259(18) 診断的な態度 2069(30) 理科的な態度 646(9) 合 計 7000(100)表12.テスト集計(男)
傾 向 回答(%) 評価的な態度 930(23) 解釈的な態度 757(19) 支持的な態度 733(18) 診断的な態度 1197(30) 理科的な態度 393(10) 合 計 4010(100)表13.テスト集計(女)
傾 向 回答(%) 評価的な態度 728(24) 解釈的な態度 611(20) 支持的な態度 526(18) 診断的な態度 872(29) 理科的な態度 253(8) 合 計 2990(100)これらの表を図示したものが,図1,図2,図3である。これらの諸表,諸図を考察してみると,全調査者,男女の別との間には大きな差異は見られない。
しかし,全体般的傾向として次のような点が認められた。イ.理解的な態度をとる教師が最も少ない。
(この理解的な態度はカウンセリング・マインドに最も必要であると言われている)。ロ.診断的な態度を取る教師が最も多い。
逆説的に言えば,教師は,常に診断的な面接,診断的な教育相談をしがちであると言えよう。ハ.評価的な態度を取る教師が2番目に多く,解釈的な態度を取る教師の数がこれに次いでいる。
ニ.支持的な態度を取る教師が最も多いと考えられたが,意外にもこれが最低である。
以上のことから,まず教育相談を実践する上で必要欠くべかざる教師の態度である,「理解と支持(非指示的面接では支持は不必要であるが)」が共に不足していることが明白となった。
なお,これらの傾向を学校別にまとめ図表化したものが,図4〜図9である。
これらの図表からは以下のようなことが読みとれよう。