研究紀要32号 教師の教育相談的態度の実態調査とその考察 - 016/020page
図29・30・31は,現在生徒指導係になっている者,かって生徒指導係になった経験のある者,今までまったく指導係の経験のない者と分けてカウンセラー・テストの結果をまとめてみたものである。
これらの図表からは次のような点が特徴として認められる。イ.生徒指導係の経験のまったく無い者のプロフィールでは,診断的態度が非常に高い。
ロ.理解的態度については,あまり差異はないが,それでも,現在指導係である者が一番高く,かつて係であった者がそれに続き,係経験無しの者が最も低いという傾向がやや認められるようである。
ハ.その他の点については目立った特徴は認められない。
E カウンセラー・テストの教育相談の活動状況別傾向分析
図32〜図37は,教育相談の活動状況に応じてカウンセラー・テストの結果を集計し図表化したものである。これからは,以下のことが考察されよう。
イ.相談活動が非常に活発な学校に所属する教員のテスト結果は,理解的態度が他のいずれの集団の理解的態度のスコアより低いという結果を得た。しかし,この結果は,わずか3名の対象者からの集計であり,信頼性が低いので,この3名を「活発」の集団に混ぜ,作図したものが37図である。
ロ.相談活動が活発な学校に所属する教員については,理解的態度が他に比して最も高く,診断的な態度が最も低くなっていることが目立つ。これは,活動が活発な学校では,当然教育相談に対する認識や理解が深く,学習が進んでいるためであろう。
ハ.相談活動が,普通,低調と活動が不活発な学校ほど,診断的な態度の教師が多くなるのも特徴の一つであろう。
ニ.相談活動がまったく無い学校における教師の特徴は,理解的態度が最も低く,残る4つの態度はほとんど差異が無く,平板型をとっている。これは,一見望ましいような感を与