研究紀要32号 教師の教育相談的態度の実態調査とその考察 - 017/020page
えるが,もし相談の機会が起こった場合,その時どきの感情によって相談が進められる可能性を示すものであろう。
ホ.図37は,相談活動が非常に活発+活発な集団の図表であり,これからは,活動が活発な学校の教師集団は理解的態度が高いことがわかる。
F カウンセリング・テストで同一態度が強くあらわれた者の割合の分布
表14
同一傾向が100%の者
男 女 計 評価的態度
100%の者 1 0 1 解釈的態度
100%の者 0 0 0 支持的態度
100%の者 0 0 0 診断的態度
100%の者 10 2 12 理解的態度
100%の者 13 4 17 計 24 6 30表15
同一傾向が90%の者
男 女 計 評価的態度
90%の者 0 0 0 解釈的態度
90%の者 0 0 0 支持的態度
90%の者 0 0 0 診断的態度
90%の者 4 2 6 理解的態度
90%の者 1 2 3 計 5 4 9表16
同一傾向が80%の者
男 女 計 評価的態度
80%の者 1 1 2 解釈的態度
80%の者 0 0 0 支持的態度
80%の者 1 0 1 診断的態度
80%の者 7 4 11 理解的態度
80%の者 2 2 4 計 11 7 18表17
同一傾向が70%の者
(%はで算出)
男 女 計 評価的態度
70%の者 4
(0.5) 4
(0.5) 8
(1.0) 解釈的態度
70%の者 0
(0) 0
(0) 0
(0) 支持的態度
70%の者 3
(0.4) 1
(0.1) 4
(0.5) 診断的態度
70%の者 32
(4.6) 16
(2.2) 48
(6.8) 理解的態度
70%の者 19
(27) 9
(1.3) 28
(4.0) 計 58
(8.3) 30
(4.2) 88
(12.5)カウンセリング・テストを実施してみると,ある個人が同一の態度に多く回答をする傾向があらわれる。これがカウンセリング・テストの狙いであり,この傾向がその人のカウンセリングの傾向としてとらえられることになる。そのような意味から,同一態度を選ぶ者がどの程度発生したかを集計表示してみた。表14〜表16がそれである。これら表によれば……
イ.10問中の10問を同一の態度で回答した者は30名おり,このうちの17名は理解的態度であった。このことは,当センターや他の研修機関でのカウンセリング講座の受講ずみ者が,この回答を提出したためと思われる。
ロ.10問中9問の者を抽出した場合には,診断的態度と理解的態度の逆転がおこり,それは同一傾向8問回答者においては,さらに強まっていっている。
ハ.同一傾向回答が7問以上の者を抽出した場合(図16)診断的な態度の者が6.8%と最も多く,理解的態度の者が4%とこれに続いている。さらにこれを男女別に見ると,約2倍の比率で男子が多いことが判明した。このことは……
a 女子は男子にくらべて,カウンセリングを実践する資質が本質的に不足しているのか?
b 女子に比して男子は,カウンセリングの理論の学習や実践の機会が多いためか?
c 女子は男子に比較して,相談されたことがらの回答が,その時その時の感情や気分,あるいは直感的なとらえかたでなされる傾向があるためか?
などの推察がなされる。しかし,この推察はまさに推察の域を脱しきれないものであり,今後の研究の課題ともなるものであろう。G カウンセリング・テストの問題別・態度別の傾向分析について
図36〜図40は,カウンセリング・テストの各問題別(横軸)に,各回答の%を5つの態度にわけて(縦軸)に図示したものである。
まず図36の評価的態度についての問題別の回答については,問題7の小学校1年生の女子の母親からの「場面かん黙=無言症」の訴えが最も高率