研究紀要32号 教師の教育相談的態度の実態調査とその考察 - 018/020page

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である。これは,このような母親の訴えに対して,教師は常に母親のしつけが適切であるか,対策が正しく行われているかと評価的に接する傾向があるからであろう。また問題3の小学校1年男子の母の訴えの「特殊学校(級)入級判別」についても非常に高い回答を得た。このことについても教師は相談者の感情を理解するという態度よりも,自己自身の考えや学校側で決定したことがらにもとずく判断を相手に与えようとする態度が強く出がちなことがわかった。

図36・図37・図38

 図37の解釈的態度については,問題8の小学3年生男子の母からの「落ち着きがない,忘れ物が多い」という訴えに対する回答が最高である。

 これは,教師という職業がらか,どうしてもも落ち着きの無さや忘れ物の多さをあることとそれを因果的にとらえ,それを改めれば矯正されるという考えに立って相談関係を持ち易いからであろう。問題9の中学1年男子の父親からの成績不良の訴えについても,その原因と結果を同じようにとらえて教えこもうとする傾向が強く働くようなことが考察された。

 図38の支持的態度については,30%を大きく越えるような高い回答率の問題はなく,問題8の大きな落ち込み(解釈的態度が高いためおこっている)が目立つ。このような平板型のプロフィールは,教師のカウンセリングは意外に支持型が少ないことを裏書きするものであるかも知れない。

図39・図40

 図39の診断的態度については,問題1および問題5が40%以上の回答があった。問題1は,小学校5年生男子のチック症についての母親からの訴えについての相談であり,問題5は,中学3年女子生徒本人からの訴えに対する相談回答である。どちらの問題に対しても,教師は,より深く未知の側面を知り,解決の糸口をつかもうと努力する傾向が強いことがわかった。

 なお,図40の理解的態度については,一見してわかるように,各問題とも10%前後の回答に始終


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