研究紀要第33号 学習指導に関する研究 - 025/092page
しかし,拡大・縮小する方法(相似の位置にあるいろいろな場合)はこれだけではありません。
また,前頁の図で,とでは作図法として大きな差異があります。つまり,では相似の中心Oと各頂点を結んだ線分上に対応点をとっており,ではその延長上に対応点をとっています。したがって,とを同時にとりだされても,生徒にとってはその差異を理解し,その他の場面を予想することは困難です。
これらのことを,教科書に書かれている3つの図から読みとることが教師には要求されてきます。教科書の行間を読みとるということは,こんなことをさしているのだと思います。これらのことを十分に理解した上で指導の順序と内容を構成していくことが要求されてくるわけです。
さて,その他の場面としてどんなものが考えられるか,対応点のとり方で2つに分類しながら示してみよう。
※ 相似の中心と各頂点を結んだ線分上に対応点をとる場合
@ 相似の中心Oが△ABCの内部にあるとき(の図)
B 点Oが頂点にきたとき(の図)