研究紀要第33号 学習指導に関する研究 - 028/092page

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してきたきらいがあります。
 型(phrase型とよばれている),型(clause型)の計算をそれぞれ自由に駆使できるように事前に指導しておき,方程式解法においては,同値変形をする意味と原理,同値変形(標準形になおす)の過程を明確に区別し,目的意識をもたせて既習の計算法を運用させていくように指導しなければなりません。

 これらのことを意図的に分折し,教材構造を明らかにして指導することによってはじめて,生徒のつまづきが分折でき,それへの新しい指導対策が考えられるようになってきます。
 従前,ふとみのがされていたようなことがらにもう一度深い目をむけ,新しい感覚,新しい数学の考えで,教材を分折してみる試みを是非実践していってほしいものです。
 一方,教材の分折・構造化については,教育工学の分野からのアプローチのし方があります。

 教材の分折・構造化というときには,1つの題材(単元)について考える場面と,1時間1時間の授業におけるそれとの2つの場合をわけて考えていくことが必要になってきます。
 前頁にあげた例は,1つの具体例をとおして,教材のもつ構造的な違い(型と型)を明確にさせながら,方程式解法という1つの題材の構成のし方についてのべたものである。教育工学の分野からのアプローチのし方としては,1時限の授業をとりあげて具体例を示してみよう。

〔例〕 代入と式の値

1.本時の指導目標
 式の中の文字に数値を代入して,式の値を求めることができるようにする。

2.目標行動
 代入,式の値の意味を説明でき,文字を用いた式に数値を代入することができる。また,式の計算によって式の値を求めることができる。

3.下位目標行動
@ 代入する数値が多い多項式の値を求めることができる。
A 絶対値の記号のある式の値を求めることができる。
B 代入する数値が少ないやや複雑な式の値を求めることができる。
C 代入する数値が少ない特別な式の値を求めることができる。
D 代入する数値が少ない簡単な式の値を求めることができる。
E 代入する数値が1つで,単項式の値を求めることができる。
F 代入の必要性を指摘できる。
G 式の値を求めることができる。
RH 式の値の意味を説明でき,文字の代りに数値を代入する意味を説明できる。
RI 正・負の数の計算規則に基づいて計算することができる。
J 文字式の規則(積)の逆が適用できる。
RK 式の意味を説明でき,式を類別することができる。
L 文字式の規則(累乗・商)の逆が適用できる。
RM 絶対値の記号の意味を説明でき,それを適用できる。

4.形成関係図
4.形成関係図


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