研究紀要第38号 学習指導に関する研究 - 007/081page

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4.教材提示機としてのTVカメラの利用法

(1) 三脚による利用法

 教室で最も一般的に使用されているのは,TVカメラをITV用三脚にとりつけて,被写体をねらう方法である。これは,雲台の操作によって,必要に応じて上下左右に方向を変えることができ,コードの長さの許される範囲で移動も自在である。

ただし,安定させるための脚部の広がりが大きく,教室での操作では,スタジオとちがって,教卓周辺の空間が少ないために,制約を受けることも多い。
 また,写真資料や図書・ノートなどの提示の場合に,カメラを真下に向けることは,三脚の脚部がじゃまになるので,図−4のような資料提示台を準備すれば便利である。
図−4
図-4

 利用にあたっては,資料面とカメラの光軸が垂直になるように調節し,画像がゆがまないようにしなければならない。

 また,小さな資料を拡大したいときはカメラレンズの口径に合った接写レンズ(クローズアップレンズ)をとりつけるか,レンズマウント部分に厚紙をさしはさんで,ビジコンとレンズの距離を大きくするなどして接写すればよい。なお,カメラによっては,ビジコンそのものを多少移動して調節できるもの,レンズ部分で調節できるものなどもあるので,その機種に応じた方法をとる必要がある。(図−5)
図−5 近接撮影の方法
図−5 近接撮影の方法

 もしも,撮影のサイズをズームレンズのように簡単に変化させることができない標準レンズの場合は,被写体との距離を変えてトリミングし,その都度ピントを調節しなければならないので,ドリーのついた三脚があれば便利である。

(2) 接写台を利用する方法

 写真・図書等の平面的な被写体,あるいは,顕微鏡下の世界をとらえたりするには,被写体を真上からねらう方法が三脚を用いる方法よりも操作し易いし,安定している。もしも写真用の接写台があれば,カメラを垂直に取り付けることができて便利である。(図−6)ただし,カメラによっては重量の大きいものがあるので,その安定には留意しなければならない。また,この方法では支持柱が手前になるので,提示の際に多少じゃまになるのが欠点である。
図6・7・8
図6 図7 図8

 操作し易いように,支持柱を向い側にするには特別の金具を取りつけ,手前側にカメラの下面がくるように取付けるか,あるいは,図−7のように2枚の反射鏡を用い,カメラを上向きに支持柱に取り付ければよい。ただ,カメラと反射鏡の調節を必要とするので,図の点線部分はあらかじめ自作しておき,使う時になって,光軸の調節などのデットタイムを生じないようにしたいものである。その他の方法としては,図−8のように,カメラを水平にし,反射鏡を1枚用いる方法があるが,この場合は裏がえしの像となるために,カメラの内部の配線を変えるなどの改造が必要であり


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