研究紀要第39号 授業研究と評価 2-1-2方式の授業研究 - 037/038page
ら,帽子を拾う場面,T君は,走り終わったグループ員を並ばせる指示もしていた。
司会 キックリレーは,いかがだったでしょうか。
K 箱の中に,何か入っているというので……。
Si 何が入っているんだろうと,私自身興味をもちました。子供たちも非常に興味をもって思い切り蹴(け)っていましたね。
I 蹴(け)るといった時,痛い……といった子が何人かいました。
Si 本当に!痛いですね,痛そうですね。でも見ながら蹴り方を考えているんですね…子供たちは。
M 蹴りながら工夫していましたね,一度はつま先で蹴る………。2人目,3人目はもう甲で蹴っているんです。そういうことを先生はねらってるなと感じました。一人で10回以上は蹴ってますね。その間に何か体で覚える,大切なことですね。
K 物をこわす,という野性的な面も興味をもたせる原因だったと思う。私は,旗でも出てくるのかと思った。
W 箱がこわれる!子供たちが「ワァー」と箱をとりまく,先生がメッセージを読みあげる……,楽しそうでしたね。
司会 先生も楽しそうでしたね。それでは,観点No,13を………どうぞ。
K リレーは,上手に走っていた。記録が悪かったのは,疲れたためでしょう。これまでの間に相当量運動しています。
W どの子も,自分のフォームで一生懸命走っていました。
Si 全力を出しきって走っていました。
司会 ……観点No,13までをこのくらいにして,ジャンプ遊びに人ります。
K 子供たちが大歓声をあげたところですね。マットの準備も喜んでやっていました。
M 全員が伸び伸びと喜んで跳んでいます。それに両足で踏み切っている子は一人もいない。中学年で走り幅跳びの踏み切りのできない子供が多くいるが,大変役に立つ遊びですね。
加藤 走り幅跳びなどは全く怖がらずにやるようになります。
W 全員が,先生の「○」をもらおうと跳んでくるんです。Sさんは,最初「×」でしたね。なぜなんだったのですか。
加藤 目を閉じやや不安定な着地だったのです。
W でも,一言注意をしてすぐに「○」が出る。タイミングが良いですね。
司会 観点No,14は………。
全員 +1です。
司会 最後の段階に入ります。観点No,15をお願いします。
W ○・×カードのアイディアと,使い方が生きていると思うんですが,学習訓練がよくできている。無駄な時間がなく,よく子供たちが注意を集中します。良い反省の態度,話し合いの内容だったと思います。
司会 最後に,総合的に一言ずついただきます。
〈以下,発言内容のまとめ〉
活発に伸び伸びとよく動き,全力を出しきっていた。密度の濃い運動量の多い高学年を思わせる授業であった。
これらは,指導過程の工夫を含めて,課題を的確につかませる工夫,興味と意欲を持続させる工夫,学習訓練の積み重ね等の効果の表れである。子供たちの表情には,満足感が満ちあふれており,主題解決に十分せまることのできた授業である。〔資 料〕