研究紀要第41号 学習指導の個別化 個を認める研究 - 008/044page

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事前,事後の徴候観察(資料4)の結果の比較
 上の表から,ノートづくりを工夫するようになった児童が増えてきたことがうかがえる。

(3) 事前,事後の作文の内容の比較

 解決策の効果を判定する一方法として,「国語の学習について」という題で事前,事後にそれぞれ書かせた作文を比較してみる。これは,“あなたは,国語学習についてどう思っていますか。”という指示で,国語学習について日ごろ思っていることを自由に書かせたものである。事前と事後の作文を一人一人の学習意欲の面について検討してみると,全体としては,それほど著しい効果は認められないものの,数名の児童の中に,効果として評価できるものがみられる。ここでは,その2〜3の例を紹介するにとどめたい。

@ S児の例
〈事前〉
 ぼくは,本を読むのにいつもつっかくので,つっかからないようにする。かん字があんまり読めないから,もっとれんしゅうしてうまく読めるようになりたいと、思います。作文もうまく書けないから,れんしゅうして書けるようにしたいと思います。
〈事後〉
 ぼくは,国語がすきです。いちばんすきなのは,詩がすきです。さされたときはうまく話されたが,そのときはうれしかった。このつぎはうんと手をあげようとこころにしまっといて,こんどの「木龍うるし」のときは,うんと手をあげようとけっしんしました。

A K児の例
〈事前〉
 国語の学習は,あまり楽しくやっていない。日によってちがう。楽しい時と,やりたくない時がある。
〈事後〉
 前は,ほかの教科とくらべると,国語はすきな方ではありませんでした。でも,先生に「なるべく手をあげるようにしなさい。」と言われたので,このごろは手をあげるようになりました。すると,授業がおもしろくなって,だんだんすきになってきました。

B Y児の例(第1回研究授業の抽出児A)
〈事前〉
 国語の学習は少しむずかしいけど、なんとなくおもしろいところもある。漢字のベんきょうはおぼえられなくてつらいです。国語の中では,作文や習字がすきです。
〈事後〉
 国語の研究授業のあったときから好きになりました。それは,みんなの前できちんと自分の考えをいえたからです。そして,先生に「よくやったね。」と,ほめられました。それで,いろいろわからないことなど,漢字などおぼえました。,そのまえまではきらいでしたが,すきになってしまいました。

(4) 効果の判定

ア,アンケートの結果からみて

 事前,事後のアンケートの結果を検定すると,前後の結果に統計的な変化が認められたのは,「B国語の勉強はやさしいですか」「C国語の勉強で,自分の考えを発表しますか」の2項目である。

 まず,各項目について,2×2分割表を見てみよう。縦も横も1の欄の数字が,Cをのぞいたどの項目でも大きいことに気づく。これは,この実験前も後も同じように,「@国語


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