研究紀要第51号 「学習指導の個別化 個に応ずる研究」 -013/080page

[検索] [目次] [PDF] [前] [次]

日常生活の観察,家庭訪問及び性格検査などから,総合的に生徒の性格をとらえることが大切である。

ここに掲げるY−G性格検査は,生徒の情緒の安定性,社会的適応性,活動性,衝動性,内省性,主導性の六つの面から性格をとらえるのに,よく利用される検査である。

この検査を実施し,個々のプロフィールをもとにして,一人一人の生徒の性格の傾向をとらえ,その性格を生かした教師のかかわり方がより一層できるように配慮した。

Y−G性格検査プロフィールと所見(B子の例)
 Y−G性格検査プロフィールと所見(B子の例)

Y−G性格検査から見た性格の特徴 平均的な面といく分情緒的不安定,社会的不適応さを持っている。
特徴的に見られることは,物事を主観的にとらえ,目立ちたがる傾向がある。しかし,受け入れられない時はくよくよ考え,悲観的な気分になる。
教師のかかわり 集団の中で,本人を認めることを通して,支配的欲求を満足させるとともに,他人からの意見を冷静に聞き,自分では気づかない自己の側面を意識させるよう働きかけを行い,客観的な物の見方や考え方を育てていくようにする。

イ 徴候観察記録

常日頃の生徒の学習への取り組み方や,生活の様子などを観察し,その記録を累積することによって,個々の生徒の性格の特徴や,学習への取り組み方の傾向を,具体的な場を通してとらえようとするためのものである。

ウ 数学の学習についてのアンケート

生徒一人一人が,数学の学習についてどのよろに考え,どのような取り組み方をしているかなど,個の実態とクラス全体の傾向をとらえるために,次ぺ一ジのようなアンケートを実施した。

また,事後にも同じアンケートを実施し,その変容から,解決策の効果の判定を見る一つの資料にもした。なお,このことに関するそれぞれの設問の主なねらいは,「設問1」情意面における変容,「設問2」学習のめあて表の効果(解決策□1),「設問3,4」自己評価票の効果(解決策□3),「設問5」学習指導カードや自己評価票をもとにした教師の働きかけの効果(解決策□2)をとらえようとするものである。


[検索] [目次] [PDF] [前] [次]

掲載情報の著作権は福島県教育センターに帰属します。