研究紀要第51号 「学習指導の個別化 個に応ずる研究」 -020/080page
7 指導過程
段階
(時間)指導内容 指導上の留意点 既習事項の復習と課題の碓認(7) 1.前時学習内容について,具体例をもとに解き方を復習させる。 ○本時の学習にかかわる内容であるので,しっかりととらえさせる。特に式変形の過程について,等式の性質や移項の考えを用いて理由づけをさせることにより,確かなものにさせる。
○前時の「自己評価票」の結果を参考にして,つまずきのあった生徒を中心に指名する。(1)3 x=5 x+4
・移項考え
・同類項の簡約
・等式の性質の「4」または「3」2.本時の学習課題を確認させる。 (1)具体例を発表させる。
・3 x−2=5 x+4○「学習のめあて表」などをもとにしっかりと,とらえさせる。 (2)前問との違いを指摘させる。 ○前問との違いを明確にさせることにより,本時の課題をしっかりととらえさせたい。 (3)本時の学習課題を確認させる。
・ax+b=cx+dの形の方程式の解き方○下位の生徒の抵抗も配慮し,「○x+△=▽x+□の形の方程式の解き方」と板書する。 解決の見通し・課題の解決(15) 3.ax+b=cx+dの解き方を理解させる。 (1)具体例をもとに,解決の見通しを立てさせる。 ○前問との比較から,一2,5 xをそれぞれ右辺,左辺に移項すればよいことに気づかせる。 (2)3 x−2=5 x+4の解き方をまとめる。 ○生徒の発表をもとに,解き方の手順を板書によってまとめていく。
○式変形の過程を,等式の性質や移項の考えを用いて説明させ,より確かなものにさせる。
○(1),(2)を通して,"わかる","できそうだ"いう意欲を喚起したい。4.問題を解かせ,自己のつまずきや到達度を確認させる。 (1)学習プリントのを問題解かせる。 ○ANで進みぐあいを確認する。 (2)解き方を示す。 ○解き方は,OHPで提示する。 (3)自己のつまずきや到達度を確認させる。 ○どこでつまずいたのか,また,その原因はどこにあるのかをしっかりとらえるようにする。はっきりしない生徒には個別指導する。
○ANで全体のできぐあいをとらえるとともに,それぞれの問いについて,どの生徒ができなかったのかを把握しておく。強化(15) 5.自己のつまずきや到達度に応じて,コース別学習をさせる。 (1)形成的評価問題の結果をもとに,各自のコースを選択させる。
○つまずきのない生徒
・Cコース(深化・発展的な問題)○原則として全問正解者はCコースに進ませる。 ○つまずきのある生徒
・つまずきの解消
・コース選択
Bコース(5問)
Aコース(3問)○つまずきのある生徒にはつまずき解消のための補充問題を準備しておき,各自のつまずきに応じて学習させる。
○補充問題を終えたら,教師のもとに持ってこさせ,つまずきが解消できたかどうか確認する。その際,個に応じた働きかけも十分配慮する。(2)コース別学習をさせる。 ○つまずきの解決に要した時間なども考え,Aコースにするか,Bコースにするかを考えさせる。また,机間巡視をしながらコース選択に無理がないかなどを見て,必要ある生徒には助言指導をする。 (3)評価
確かめ(10) 6.小テストを行い,本時のめあてが達成できたかどうか確認させる。 (1)小テスト(3問) ○時間は5分程度とする。
○解答はOHPで提示する。
○ANで,できぐあいを確認する。(2)自己評価させる。 ○テストの結果や反省などを「自己評価票」に記人させる。特に反省については,つまずきや到達度について具体的に書くよう指示する。 まとめと次時課題(3) 7.本時のまとめをし,次時の学習課題を把握させる。 (1)小テスト問題を例にして,まとめをする。
○解き方(解く手順)○つまずきが多かった問題を中心にして,解法の手順を説明する。 (2)次時の課題を提示する。
○かっこのついた形の方程式の解き方○「学習のめあて表」より具体例を示し,かっこをはずせばできそうだという考えをもたせ,次時への字習意欲を喚起したい。