研究紀要第51号 「学習指導の個別化 個に応ずる研究」 -055/080page

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[3] 授業の実際

昭和57年11月16日 第3校時 第3学年2組
授業者 福島市立岳陽中学校教諭 橋本 倫子

ア 英語科学習指導案

1.研究主題
  「個の確かな学習の成立をめざす研究」

教科の本質に即した,わかる授業を実践するためには,生徒一人一人の特性をふまえた上で,単元や毎時の目標へ迫らせるための既習事項の定着の実態を十分に掌握し,つまずきや到達度に応じた授業展開が図れるように配慮しなければならない。
そこで本研究では,学習指導過程の中での評価のための適切なテスト問題を活用し,認知事項の定着度合いや,技能面での活動の状況に応じた学習課題を選択させ,一斉指導において,個別的な働きかけをしていけば,個のより確かな学習が成立するであろうと考え,そのための学習指導のあり方を追究するものである。

2.研究主題の解決策
(1) 前提条件

[1] 生徒一人一人の特性や学力等の実態を把握することにより,個に応じた働きかけができるように,下記の資料を活用する。
・Y−G性格検査 ・教研式中CRT ・徴候観察記録
・アンケート・事前テスト・感想文
・SDイメージテスト
[2] 生徒一人一人の知識・理解の定着度合いを踏まえて,言語活動の状況に応じられる基礎・標準・発展の三種類のコース別学習課題を準備して,それぞれのレベルでの個別指導を行う。(分枝型学習)
(2) 解決策

□1 「学習のめあて表」により,毎時のめあてと,その学習に必要な予習的課題として,目標に迫るための既習事項を与えておく。
□2 生徒一人一人のつまずきの原因がわかるような,本時のねらいに即した適切な形成的評価問題を補説問題とセットで行わせ,それぞれの到達度に応じたコ−ス別学習課題を選択させ,その実施をとおして,個別的な指導・援助をする。
□3 自己評価や反省を「自已評価票」に記録させ,教師のコメントによる指導において個に応じた働きかけをし,お互いの人間関係を深めるとともに,学習意欲の向上につなげるように配慮する。

3.研究主題と抽出生徒とのかかわり
A男: 9教科のうち英語が一番好き。意欲的に学習に取り組み配布されたプリントの整理もたいへんよい。
疑問点については積極的に質問する。Cコ−スの自由表現も毎回喜んでやっている。教研式CRT5,Y−G性格類型C(社会的適応消極型)

B子: 最近,質問に来る勇気が出てきた。常にまじめな学習態度である。コ−スを選ぶ場合,一段階下からやる傾向があるが,Cコ−スで持てる力を発揮させたい。教研式CRT4,Y−G性格類型C(社会的適応消極型)
(C男,D子,E男,F子については省略)

1 題材名 Lesson 8 Africa

2 題材の目標

(1) 資源,音楽,美術,ピラミッドなどの話を通してアフリカ大陸について学ばせ,社会科の学習とも関連させながら,世界各地への関心を高めさせる。
(2) 次の文型を理解し,表現できるようにさせる。
・S+V+O+O(名詞)
・It is+形容詞+to不定詞
(3) 関係代名詞whose,which(目的格)の用法を理解させる。

3.指導計画……………………………(総時数10時間)
(1) 〔1〕 We call him Mike.…………………………2時間
(2) 〔2〕 It is interesting to 1ook at the stars.……2 (2/2本時)
(3) 〔3〕 I have a friend whose father is a teacher.…… 2時間
(4) 〔4〕 London is a city (which) everyone wants to visit.…2時間
(5) P.49 練習,ワークブック……………………2時間

4.本時のねらい
[1] 本文の内容(ジャズのはじまり)の概要や要点を理解し,英語や日本語で表現できる。
[2] 教師の話す英文が,本文の内容と合っているかどうかを区別できる。
[3] 本文の内容についての英語の質問に対して,正しく英語で答えることができる。
[4] It is+形容詞+to不定詞の文型が聞いてわかり,表現できる。

5.準備
 ○フラッシュカ−ド  ○ピクチャ−カ−ド
 ○プリント(コース別学習課題,自己評価票)
 ○OHP  ○テ−プレコ−ダ−
 ○アンサ−ポ−ル(赤,青,黄)


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