研究紀要第51号 「学習指導の個別化 個に応ずる研究」 -062/080page

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4 研究の結果と考察

(1) 事前・事後テストの結果の比較

事後テストの結果を次の2点から考察した。一つは,事前テストの結果と比較し,問題ごとの有効度指数を求めて,得点の伸び率を検討した。
二つめは,事前・事後テストの結果のS−P表を作成し,事後テストを中心に,生徒の反応傾向などについて検討した。

事前・事後テストの問題は51ぺージに示した。

ア.事前・事後テストによる考察

下に示した表1によれば,有効度指数60に満たない問題が,27題中13題あり,目標文である(It〜to…の構文)を含む問題では1−(8)が86,4−(4)が40,5−(2)が66であった。このように,数値の上では余り効果がみられなかったのは,事前テスト問題の中に,形式や内容の点から,生徒一人一人の変容を知るうえで適切でないものがあったのではないかと反省している。また,検証授業の主な手法と事前・事後テストが,領域の面で一致しないものも含まれていたのではないかと思われる。

なお,有効度指数とは,事前テストの誤答者に対し,事後テストで正答した生徒が何%あるかを示したものである。

表1 Lesson 8〔2〕テストの結果(その1)
表1 Lesson 8〔2〕テストの結果(その1)
……は事前,――は事後

P64の表3は,クラスの生徒全員を,上位群(11名),中位群(21名),下位群(8名)の3群に分け,各群の有効度指数と,その変容をグラフで示したものである。これにより,各群の傾向などをみようとしたものである。
なお,3群の区分は,一学期の英語の評定によって位置づけた。

この表から次のようなことが言える。
3群とも有効度指数が50以上のものは,T or Fテストの1−(5),(8),選択肢のあるQ and Aの2−(2),(3)で,内容が比較的平易で,答えがはっきりしているものである。

上位群,中位群の2群からみると,ほぼ有効度指数が50以上であり,理解は良好である。上位群で中位群より劣っているものもあるが,有効度指数のみから判断はできない。下位群で中位群を上まわっている小問は,1−(3),(5)と6−(3)であった。なお,下位群については,特に,選択肢のないQ and A,整序問題,文の区切り,発音問題での理解が十分でなく,これからの指導の反省資料となるであろう。

イ.S−P表による考察

事前・事後の各テストの結果について,当センター情報処理教育係で開発したプログラムを使用して,次のようなS−P表を作成した。これによって,得点の全体,及び一人一人の生徒や個々の問題の特性を視覚的に,又は,数量的にとらえようとした。


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