研究紀要第51号 「学習指導の個別化 個に応ずる研究」 -064/080page
○注意係数の高い生徒については,難しい問題に正答したのはまぐれ当たりか,基礎が十分理解できていないのではないか,あるいは学習や理解が不安定なのではないか,などに注意して,個々に検討し,生徒一人一人の以後の指導に生かすわけである。なお,表3では注意係数の値により,次のように表示した。
0.1以下 無印, 〜0.3 *, 〜0.5 **
〜0.7 ***,〜0.9 ****表3 Lesson 8 〔2〕テストの結果 (その2)
問題番号 生徒 正答率(%) 有効度指数 問題番号 生徒 正答率(%) 有効度指数 事前テスト 事後テスト 事前テスト 事後テスト 1 (3) 上
中
下37
76
38100
81
75100
21
604 (1) 上
中
下43
10
0100
71
0100
68
0(4) 上
中
下55
57
38100
86
50100
67
19(2) 上
中
下64
33
2582
71
2550
57
0(5) 上
中
下73
71
3891
90
8867
66
81(3) 上
中
下91
48
13100
81
25100
63
14(6) 上
中
下91
76
63100
95
63100
79
0(4) 上
中
下18
5
082
43
078
40
0(8) 上
中
下82
62
63100
95
88100
87
685 (1) 上
中
下55
43
2591
71
5080
49
332 (2) 上
中
下55
43
2591
81
6380
67
51(2) 上
中
下82
67
3891
100
5050
100
19(3) 上
中
下64
33
13100
76
63100
64
576 (1) 上
中
下36
29
1373
81
2558
73
143 (1) 上
中
下55
33
13100
67
25100
51
14(2) 上
中
下27
14
3858
38
5038
28
19(2) 上
中
下91
17
13100
100
50100
100
43(3) 上
中
下45
24
1382
43
5067
25
43(3) 上
中
下0
0
055
24
055
24
0(4) 上
中
下36
29
3882
81
6372
73
40(4) 上
中
下45
24
0100
76
0100
68
0(5) 上
中
下27
14
055
43
038
34
0(5) 上
中
下91
67
0100
76
13100
27
13平均 上
中
下55
40
2288
73
3280
58
26
(2) イメ−ジテストの結果の比較
イメ−ジテストは,学力の情意的側面の意欲や感情を,生徒が「教科の学習や教材」(評価の次元),「学習における適応性」(潜在力の次元),「学習への参加」(活動性の次元)に対して抱いている形容詞的連想を手がかりとして数量化し,結果の数値の変動によって,教材の提示の仕方,生徒の学びとりのあり方等,広く学習指導の改善に活用しようとするものである。
本研究においては,表現力育成のための言語活動を行い,生徒一人一人が英語で表現する喜びを味わうことができたとき,個のより確かな学習の成立がみられると考え,指導の結果,情意的側面の変容を確認し,解決策の効果を明らかにする意味でイメージテストを実施した。テストの結果は,次の図のプロフィールとしてとらえることができた。
○事前のプロフィール
学級全体のプロフィールは,尺度間のふれの範囲が,2.5〜4.0の間にある。英語科の学習については,わずかではあるが,楽しく,面白く,すきな学習であると好意的イメ−ジを持っている。また,大切なので続けたい,とする反面,英語科の学習は,難しく,めんどうで,積極的に取り組みにくいととらえられている。
男子は,20尺度のうち13尺度において非好意的なイメージを示しているのに対し,女子は6尺度と少なく,女子の方が面白く,愉快で,大切な学習ととらえていることがわかる。
○事後のプロフィール
イメージが好意的な方向に転移している尺度は,20尺度のうち15尺度である。特に顕著に表れた尺度は,たのしい,まじめ,きんちょうした,などである。
男女別にみると,好意的イメージを抱いた尺度は,ほぼ同じであるが,男子は,たのしい←→くるしい,はやい←→おそい,きんちょうした←→ゆるんだ,女子は,まじめ←→ふまじめ,まんぞく←→ふまん,などにおいて大きなふれ幅を示している。