(3) アンケートの結果の比較
アンケートは,興味・関心に関する項目と,本研究に使用した「学習のめあて表」などの資料の効果を見るための項目について調査したものである。検定は,2×2分割(クロス集計)法による,χ
2
(カイ二乗)検定を実施してみたが,質問の7項目のいずれの場合も統計的には変化の有意差は認められなかった。それは,第3学年というまとめの時期にあたるとき,解決策に基づく検証授業が総時数10時間という短時間であることが原因として考えられる。しかし,統計的な変化の有意差は認められなくとも,変化の傾向は,それぞれの表から読みとれるのでそれについて考察していきたい。
[1] |
「あなたは,英語の学習が他の学習と比べて好きですか」 |
|
ア.好き
イ.どちらかといえば好き
ウ.どちらかといえばきらい
エ.きらい |
この結果をまとめると,次の表のようになる。
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ア |
イ |
ウ |
エ |
計 |
ア |
9 |
3 |
|
|
12 |
イ |
1 |
7 |
3 |
|
11 |
ウ |
|
A
1 |
7 |
5 |
C
13 |
エ |
|
|
|
D
4 |
4 |
計 |
10 |
B
11 |
10 |
9 |
40 |
この表の読み方について説明をすると,例えば表中の欄Aの数字1は,事前の調査でイと回答したもののうち,事後の調査でウと回答した生徒が1名いることを表す。また,縦の計の欄Bの数字11は,事前の調査でイと回答した生徒の数であり,横の欄Cの数字13は,事後の調査でウと回答した生徒の数を示している。
D
4(表中の欄内)は,事前・事後ともにエと回答したことを示し,変化が見られなかったことを表している。そして,□(表中の1つの欄のこと)の部分より右上の部分の数字は,事前より事後がプラスの変化(プラスの変化には,例えば,事前がエで事後がウと答えたものまでも含む)したことを表し,□より左下の部分の数字は,事前より事後がマイナスの変化を表している。
[1]の質問に対しての表をみると,プラスの変化が11名もみられることから,英語の学習は,事前から比較して好きになった生徒が学級全体の四分の一にも達しており好ましい方向に向かっていると推察される。
[2] あなたは,英語の予習をしますか。
|
ア.いつもする
イ.だいたいする
ウ.あまりしない
エ.ぜんぜんしない |
|
ア |
イ |
ウ |
エ |
計 |
ア |
6 |
2 |
|
|
8 |
イ |
1 |
8 |
4 |
|
13 |
ウ |
|
2 |
9 |
3 |
14 |
エ |
|
1 |
1 |
3 |
5 |
計 |
7 |
13 |
14 |
6 |
40 |
統計的な変化の有意差は認められないが,学級全体の約25%がプラスの変化を示している。「学習めあて表」の予習的課題の効用は上昇しており,今後とも継続して解決策に基づいた授業を行っていけば,予習に取り組む生徒が増加していくことが期待される。
[3] あなたは,英語の復習をしていますか。
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ア.いつもする
イ.だいたいする
ウ.あまりしない
エ.ぜんぜんしない |
|
ア |
イ |
ウ |
エ |
計 |
ア |
|
1 |
|
|
1 |
イ |
1 |
6 |
3 |
|
10 |
ウ |
1 |
3 |
17 |
4 |
25 |
エ |
|
|
2 |
2 |
4 |
計 |
2 |
10 |
22 |
6 |
40 |