研究紀要第51号 「学習指導の個別化 個に応ずる研究」 -068/080page
ア. そのままにしておかないで,教科書などで調べたり,先生や友だちに聞くなどして解決する イ. そのままにしておくこともあるが,どちらかといえば教科書などで調べたり,先生や友だちに聞くなどして解決することが多い ウ. どちらかといえば,そのままにしている エ. そのままにしている
\ 前 後 \ ア イ ウ エ 計 ア 7 2 1
10 イ 3 14 3
20 ウ
2 5 2 9 エ
1 1 計 10 18 9 3 40 学級全体の約75%にあたる30名は,学習でのつまずきや,わからないことがあった場合に,教師に質問してみようとする態度や意欲がみられ,また8名がプラスの変化がみられることは,積極的に学習しようとする態度が定着してきたのではないかと推察される。
〈アンケートの結果の考察〉
各項目について,統計的には変化の有意差は特に認めることはできなかったが,好ましい変化のみられた項目について考察する。
○ 英語学習に以前より興味をもつようになった生徒が多くなり,積極的に学習しようとする態度が定着してきていることがうかがえること。 ○ 「学習のめあて表」を使用し,予習的課題をさせることにより,予習をする生徒が増えたこと。 ○ 領域別言語活動に対しては,本研究への手法であるHearing,Speaking及びWritingに興味・関心を示す生徒が増えたこと。 ○ 「学習のめあて表」により,めあてを持って授業にのぞむ生徒が多くなったこと。 以上からして,生徒一人一人が学習にのぞむにあたって,問題意識をもち,解決策を考え,自主的に解決していこうとする努力がみられ,好ましい方向に進んでいるといえよう。
(4) 感想文の分析
解決策の効果の判定の一方法として,生徒に,この度の検証授業について,形式・内容には特に注文をつけずに,自由に感想文を書かせてみた。以下,その感想文をもとに,四つの観点から分析を試みることにする。
[1] 「学習のめあて表」 について
「学習のめあて表」について記述した者は,40名中12名(男子8名,女子4名)であった。そして,そのすべてが,「よかった」,「とてもよかった」などと肯定的な感想を述べている。なかでも,「この単元では,どういうところが大切だとかというところがだいたいわかるのでとてもよいと思います。」(T子)とか「学習のめあて表を使って授業内容を見通しておくのがよかった。」(M子)のように,当然のことながら,学習の指針として役立ったというのが多かった。とりわけ,「この学習めあて表は,私が一番気にいった学習法で,1日わずかの予習時間で次の時間の文章が具体的にわかるところが特によかった。」(S男)や「予習復習だって学習のめあて表をきちんとやれば,わざわざノートをむだにすることはないし,そんなところについては,とてもよいと思った。」(J男)など,「学習のめあて表」は,予習・復習などの家庭学習に大いに役立ったようだ。
また,「学習のめあて表を暗記するというところは,どうしても覚えようとしてしつこく授業前までかかっても覚えようというところが,今までとちがったところといえる。」(H男)「とくにめあて表の暗記文などは一所懸命覚えたので,今でも覚えているものが多い。」(K子)などにみられるように,「学習のめあて表」によって,その単元のターゲットセンテンスを示したりなどして,生徒にしっかりと学習の指針を与えれば,その生徒の学習意欲の向上に効果があることがわかる。
[2] 「形成的評価問題と補説問題」 について
「形成的評価問題と補説問題」について記述していた者は,40名中10名(男子4名,女子6名)