研究紀要第53号 「学習意欲を高める心理的治療への理論的アプローチ 第1年次」 -023/042page
差値SSは,教研式によるものである。
<考察> [1]
このプロフィールの特徴は,責任感が強く,学習への持続性が強いことと自主的学習態度,従順性,反(学習)価値観が低いことである。
このような児童は,与えられた学習課題に対してコツコツとねばり強くやり抜くが,自分から進んで計画的にとり組もうとせず,他の人からの率直な援助指導も受けようとしない。さらに学習する意味もわかっていないようである。
従って,学習に興味を持たせたり喜びを感じさせたりすれば,自主性がでて素直に指導を受けるようになり,学習価値観もでると思われる。
<考察> [2]
SSは高位群にありながらP・T得点が低くひとつの因子のみが突出しているプロフィールである。自分を評価する態度が他の児童にくらべてきびしい結果からなのかどうかを検討しなくてはならない。だがSSが高位群であることからテスト不安は少なく,そのために高得点を示したと推察できる。
そこで,積極的な意欲を高めさせる指導をすると同時に,学習する意味を理解させれば,学習する喜びもでて,ねばり強く学習することができるようになるものと思われる。