研究紀要第53号 「学習意欲を高める心理的治療への理論的アプローチ 第1年次」 -024/042page
<考察> [3]
このプロフィールの特徴は,全般的に意欲は低いが消極的な面の因子がやや高い傾向を示していることである。
このような児童生徒は,自分から進んで学習しようとしないが勉強に対しては自分なりの関心はもっでいるものと思われる。
従って,学習の中で一番興味や関心を持っていることから意欲をひきだすこと,さらに,学習の目的目標を示し,学習する喜びや自信をつけさせることが必要である。
このような指導や援助により,積極的な学習意欲も高まるものと思われる。<考察> [4]
SSは低位群にありながら積極的な因子やT 得点が比較的高くあらわれている児童のプロフィールである。
このような児童は,積極的にやる気はあるが学習価値観が十分に確立していなかったり,ねばり強くとりくむ態度に不十分さがみられるため,学習意欲の高まりがやや伸びなやんでしまうことになりやすいタイプのように思われる。
そこで,学習する前に学習する意味をしっかり理解させることである。その結果ねばり強さや,失敗を生かす方法が身につき,さらに学習意欲が高まるものと思われる。