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学習,生活両面からの援助や指導が必要であることがわかる。一方女子は,学習にとりくむ態度,なかでも,失敗回避傾向や,学習への心的傾向としての従順性などに問題をもつ者が多く,学習場面での不安,自信欠如,逃避的行動などを指摘でき,カウンセリングや行動療法的なアプローチが必要であることがわかる。 |
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ウ. |
N得点は,得点平均,標準偏差ともほば同程度の数値を示しており,特に男女による性差は認められない。 |
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エ. |
学級全体でみた場合,自己評価の因子が最も高い数値を示しているが標準偏差も大きく,生徒個々の内罰傾向に左右されやすい調査項目のように思われる。また,反持続性の因子は,男女ともに,最も低い数値を示し標準偏差も大きく,生徒個々のばらつきが広く指導に難かしさが感じられる。 |
2)因子別及びP・N・T得点の段階点ごとの割合
図9は8因子及びP・N・T得点を段階点に置換して男女別にグラフ化したものである。図中,■は男子,□は女子をあらわす。
[1]自主的学習態度
<考察>
○ |
男子は段階点のすべてにわたっているが,女子は,3,4の2つの段階に集中している。今後の援助や指導によって,高位の段階への移行が期待される。 |
[2]達成志向の態度
○ |
男女ともに1と5の段階に属するものはなく,2〜4の段階に集中しているのが特徴的である。特に女子は3の段階に77.7%を占め,今回の調査の中で最も多い反応を示している。
結果に多少かたよりがみられることは,個々の設問に対して,生徒一人一人の構えが明確でないことのあらわれであると解釈することもできる。 |
[3]責任感
○ |
男女とも1の段階に属するものはなく,男女のあらわれ方が,男子に比して女子がいち段階高く出ているのが特徴的である。 |
[4]従順性
○ |
男子は段階点のすべてにわたっているが,女子は1,2の段階に属するものがなく,中位群と高位群にのみあらわれていることが特徴的である。しかし前述,因子別に問題をもつ生徒の考察においては,従順性に問題をもつ生徒が4人いたことから,単に段階点からだけその実態をとらえることなく,個々の生徒の問題を的確に把握しておくことが大切であることが,このグラフからもわかる。 |