研究紀要第53号 「学習意欲を高める心理的治療への理論的アプローチ 第1年次」 -028/042page

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表9 知能と学習意欲の関係
知能
学習意欲
低位群
(44以下)
中位群
(45〜54)
高位群
(55以上)
低位群
(1,2)
2
(2)[0]
4
(2)[2]
4
(4)[0]
10
(8)[2]
中位群
(3)
6
(1)[5]
11
(6)[5]
3
(2)[1]
20
(9)[11]
高位群
(4,5)
1
(0)[1]
2
(1)[1]
8
(5)[3]
11
(6)[5]
9
(3)[6]
17
(9)[8]
15
(11)[4]
41
(23)[18]
    ( )数字…男子  [ ]数字…女子


ア. 男子においては,知能が高位群に属しながら,意欲の面で低位群にいるものが11名中4名もおり,逆に女子の場合は,知能は低位群に属しながら意欲の面で低位群にいるものが皆無で,6名の者がすべて中位,高位群に移行しており,必ずしも知能と意欲が関連があるとはいえない。

イ. 男子は,全般的に知能と意欲との結びつきが稀薄であり,各群間に移行のばらつきがめだつ。女子は,全般的に知能より意欲が上位群に移行する傾向がめだっている。

4)個人ごとのプロフィール

中学2年生41名に実施した学習意欲検査の中で全体的に学習意欲が高い生徒,P得点とN得点に大きな差がみられる生徒のプロフィールを以下にあげ考察を加えてみたい。(知能偏差値SSは教研式による。)

[1](男子 SS:56)
個人のプロフィール表(男子 SS:56)

<考察>[1]

全体的な特徴としては,全ての面で学習意欲が高い生徒である。SSも学習意欲も高位群に属している。特徴ある因子についてみると,何事に対しても非常にきちょうめんであり責任感も強い。勉強の面でも自主性,自発性が高く基本的学習習慣が身についているものと思われる。また,むずかしい課題に対しても根気強くとりくむ姿勢を持っているし,他人からのアドバイスも素直にうけ入れることができる。さらに学習をすることの認識も高く勉強へのとりかかりも早いし集中心もある。


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