研究紀要第53号 「学習意欲を高める心理的治療への理論的アプローチ 第1年次」 -031/042page
である。具体的には,空腹の子供が空腹を解消しようとして適した行動をとるのと同じように,学習者を学習の動機を満足させるのに適した行動をとらせることである。 評価的機能…… 動機を満足させる反応や行動が「正しい」「正しくない」を評価したり,判断したりするための働きであり,このことによって,正しいものは,持続され,正しくないものは,消去されるのである。 このような機能を持った動機を内から動機づけることを内的動機づけといい,外から動機づけることを外的動機づけという。
内的動機づけは,学習に対する興味とか知的好奇心に訴えて学習意欲を引き起こす方法である。しかし,子供の興味が流動的であるとか,興味に押し流されて指導目標に向かわせるのが困難である場合は,内的動機づけだけではうまくいかない。そこで,外的動機づけが必要になってくる。