研究紀要第53号 「学習意欲を高める心理的治療への理論的アプローチ 第1年次」 -040/042page
などについて,より実践的なアプローチを試み,更に学習意欲検査を実施して指導結果の検証をしてゆきたいと考えている。
その指導(治療)に当たっては,
(1) 学習意欲を失っている原因を,多次元的にとらえる。そのためには,客観テストはもとより,観察,面接を十分に行う。(P12,図6参照のこと) (2) 以上の結果をもとに,治療仮説をたて,治療的カウンセリングを中心に,種々の心理療法を組み合わせて最大の効果をねらう。 (3) その結果を学習意欲検査,標準学力検査などから検証する。 先にも述べた通り,学習意欲検査は,8因子から学習意欲をみようとするものであるが,まだ十分完成されたとはいえない面もある検査である。
したがって,下山グループの研究の発展の方向によっては,本研究における因子のとらえ方にも,多少の変更を加えざるを得ない事情が生ずるかもしれないのでそのことを附記しておくことにする。