研究紀要第54号 「教育課程の実施に関する研究」 -037/071page
したがって,内接する正n角形,正2n角形の周の長さをそれぞれ2A,2A’とし,外接する正n角形,正2n角形の周の長さをそれぞれ2B,2B’とすれば
これらを1(マル囲み1),2(マル囲み2)に代入すると
ゆえに,単位円に内接および外接する正2 n+1 角形( n=1,2,3,・・・) の周の長さをそれぞれ2An 2Bnとすると,次の漸化式が成り立つ。
この漸化式により,An Bn (n=1,2,3,・・・)は,下の図のように次々と求められる。
流れ図は図4のようになる[ 計算の結果と考察 ]
表4は,半径1の円に内接および外接する正2 N+1 角形の周の長さの2分の1の値を表しており,パソコンで作成した。表4からわかるように,N=15すなわち正 65536 角形のとき, =Ln= 3.1415926 となっており,これによって,円周率の値は小数点以下7けためまでは 3.1415926 であることがわかったことになる。なお, π のけた数を多く出そうとする場合には Machin の公式などを使えば求めることができる。ここでのねらいは円周率の発見にある。
(4) 区分求積法 (定積分)
区間(a,b)をn等分し,図5のようにn個の長方形の面積をそれぞれI 1 ,I 2 ,I 3 ・・・Inとし
= Snとすると
Sn=Sn−1 (n≧1),ただしSo=0
例4 放物線 y=X 2 と直線 X=1,X=5とX軸によって囲まれる部分の面積を区分求積法で求める。
図 5[ ねらい ]
定積分の学習のなかで,面積を区分求積法で求めることによって,面積の意味と定積分の計算のすばらしさを理解させたい。