研究紀要第54号 「教育課程の実施に関する研究」 -039/071page
(5) 三角関数の極限
例5 角Xの絶対値が小さいとき,sinX, の値を求める。 [ ねらい ]
「微分・積分」で,三角関数の導関数を学習するとき, はその手がかりとなる大切な式である。この式をX 0のとき,
sin Xなどと書くことがあるが,どの程度小さい角ガに対して,sinXの値がどの程度Xに等しいのかを調べるために,あるXに対してsinXと の値を求める。これによって, の手助けとしたい。[ アルコリスム ]
パソコンにSIN関数が組み込まれているので,それを使うと,流れ図は図8のようになる。[ 計算の結果と考察 ]
表6は,XとXに対応するsinXと の値を計算し示したもので,パソコンで作成した。
表より,例えば,Xが 0.06 以下のときは,sinXの値は小数第5位を四捨五入すればXの値に等しくなることがわかる。このような表は,パソコンの導入によって容易に作成できるようになった。
図9は,sinXの一次近似の様子をパソコンで描いたもので,これによってXとsinXの値の近似の程度を視覚的にとらえさせたい。
(6) グラフ (単振動の合成)
例6 y=asinux, y=bcosvx のグラフを描き,その後,これらを合成した。
y=asinux + y=bcosvx のグラフを描く。
[ ねらい ]
パソコンのもつグラフィックス機能を利用して,同一方向の単振動を合成したグラフを描き,単振動の振幅や周期のちがいによって,さまざまな波形になることを視覚的にとらえさせる。
これによって,同周期の場合,合成したものが単振動になることを印象づけたい。「数学II」「基礎解析」で三角関数のグラフ,周期性を学習した後に取り扱