研究紀要第56号 「学習指導と評価に関する研究 第1年次・実態調査」 -005/053page
位置づけている」と答えているのは205人(57%)である。このことから指導計画の中には一応評価の位置づけをしていても,それが具体的なものになっていないことが多いように推測される。このことについては,小学校,高等学校においてもほぼ同じ傾向を示しているようである。
(2) 授集前の評価
[設問 2] あなたは,新しい単元・題材の指導に際して.その学習に必要な知識や技能などを児童生徒が身につけているかどうかを知るために評価を行っていますか。
○調査の結果
○授業前の評価について,「いつも行っている」「行っていることが多い」と回答しているのは,小学校44%,中学校46%,高等学校43%である。このことから,小・中・高等学校のいずれにおいても,半数近くの教師が新しい単元・題材の指導にあたって,授業前の評価をよく行っているといえる。
○[設問 2] について,中学校の回答を教科別にまとめたのが次の表である。音楽と美術については,調査結果が同じような傾向を示していることや,それぞれの回答者数が少ないことなどの理由でまとめて集計した。
教科 選択肢
国語 社会 数学 理科 音楽 美術
保健 体育
技術 家庭
英語 ア いつも行なっている 4% 9% 18% 2% 4% 11% 7% 14% イ 行っていることが多い 29 23 51 29 36 49 43 47 ウ 行っていることが少ない 41 64 27 57 43 29 43 31 エ ほとんど行っていない 26 4 4 12 17 11 7 8 回答者数 73人 47人 67人 51人 23人 35人 28人 36人
この表から教科別の特徴をみると,数学,英語,保健体育においては,他と比較して授業前の評価がよく行われているといえよう。一方,国語,社会,理科については,約70%が「行っていることが少ない」または「ほとんど行っていない」と回答しており,授業前の評価はあまり行われていないようである。