研究紀要第56号 「学習指導と評価に関する研究 第1年次・実態調査」 -008/053page
[設問 4] と [設問 2] との関連を中学校についてみると,次のような結果になる。
2 授業前の評価 4 評価後の補充
ア いつも行っている イ 行っていることが多い ウ 行っていることが少ない 合計 ア 新しい単元・題材に入る前に補充している 6人 18人 15人 39人 イ 授業の中でそのつど補充している 25 110 116 251 ウ その他の機会に補充している 1 1 3 5 エ 特に補充はしていない 0 6 16 22 合 計 32 135 150 317
[設問 2] で,授業前の評価を「いつも行っている」と答えた32人は,新しい単元・題材に入る前,あるいは授業の中などで必ず補充指導を行っている。一方,評価を「行っていることが多い」と答えた135人,「行っていることが少ない」と答えた150人については,評価後r特に補充はしていない」がそれぞれ6人(4%),16人(11%)とわずかずつではあるがその割合が多くなっている。「特に補充はしていない」は22人(7%)だけであり,全体的に評価後の補充はよく行われているわけであるが,授業前の評価の機会が少ない教師ほど,補充をしていない傾向にあるという見方もできよう。
(5) 授業前の評価を行っていない理由
[設問 5] あなたは,2で工と答えましたがその理由はなんですか。 ○調査の結果
○小・中学校では「必要は認めるが時間に余裕がない」と回答しているのが80%以上であり,特に中学校での回答が89%と目立っている。高等学校では,「その必要をそれほと認めないから」が43%(17人)あり,小・中学校と比べて多いようである。「その必要をそれほど・・・」の回答はどの教科にもみられるが,理科と英語にやや多い。また,「その他」と答えた9人中には,「せっかく評価をしても,評価の結果があまりにも多様なため一斉指導の中ではどうしようもないから」,「怠慢ということにもなろうがめんどうだから」などの回答がみられる。