研究紀要第56号 「学習指導と評価に関する研究 第1年次・実態調査」 -021/053page

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○授業後の再指導の方法としては,小・中・高等学校とも,「個人指導で行っている」場合が多い。特に小学校では60%がこの方法によっている。
 「小集団指導で行っている」と「学級全体に再指導を行っている」場合では,校種間の差異はあまりみられないが,しいていえば,中・高等学校では,「学級全体に再指導を行っている」場合が,小学校に比べて多くなっている。

(5) 単元・題材の終了時のぺーパーテスト
[設問 16]  あなたが,単元・題材の終了時に実施しているぺーパーテストは,つぎのどれが最も多いですか。

○調査の結果

選択肢 小学校 中学校 高等学校 全 体
低学年 中学年 高学年
ア 自作テスト 30% 15% 13% 17% 54% 86% 49%
  学年,教科部会などで作成したテスト 9 5 5 5 3 6 5
ウ 市販のテスト 61 75 78 74 38 6 43
エ その他 0 5 4 4 5 2 3
回答者数 67人 132人 150人 349人 358人 263人 970人

○[設問 13] の評価の方法で,小・中・高第学校を通して,最も多く用いられているぺーパーテストについて,その作成者は誰かという点からみると,小・中・高等学校で著しい差がみられる。
 小学校では,「市販のテスト」が全体の74%を占めるのに対して,「自作テスト」は20%未満で。「市販のテスト」への依存度が大変高くなっている。中学校では,「市販のテスト」が全体の40%と少なくなり「自作テスト」が約半数となる。高等学校では「自作テスト」による場合が86%ときわめて多く,「市販のテスト」への依存度は極端に低くなる。
 このことは,小学校では,学級担任制で,一人で多くの教科を指導することからくる時間的制約などが大きいのに対し,中学校,高等学校は教科担任制であり,専門分野を中心に,少数の科目を担当することが多いこと,更には,[設問 12] からもいえることであるが,授業後に行う評価のためのテストの実施回数の多少とも関係があるためと思われる。
 なお,小学校を低・中・高学年別でみると,特に,低学年で「自作テスト」が30%と比較的に多いのは,発達段階を考慮し,それに適応させたぺーパーテストが実施される場合が,中・高学年に比べて多くなるからと思われる。


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