研究紀要第56号 「学習指導と評価に関する研究 第1年次・実態調査」 -035/053page

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何か明確なよりどころはないか悩んでいる。(小高国)
・習字の評価は,どうしても主観的な評価になってしまう。どうすれば,客観的な評価ができるのか悩んでいる。(中国)

このように,評価基準があいまいなためひとりよがりな評価になってしまうのではないかという悩みは,図工・美術,音楽,体育,技術・家庭あるいは,国語科における作文や書写のように実技を伴う教科・科目において,特に著しいと思われる。

・評価基準を考える場合に主観を客観化する手だてはないだろうか。(小高体)
・それぞれの評価の観点が,当該児童について妥当性,信頼性のあるものなのか自信がない。到達目標が容易すぎたり,困難だったりする。児童の実態に合わせたものが必要なのか。普遍的なものは望めないのか。(小中体)
・目標達成の基準と地域や児童の実態の関連をどのように具体化していけばよいか明確な方法が知りたい。(小高社)

そこで,評価基準の客観化が望まれるのであるが,そのためには,十分な「目標分析」を行う必要が生じてくる。しかし,「目標分析」の基礎知識や資料が不十分なため「目標分析」の手だて,方法がわからないという声が多く聞かれた。

・評価の方法以前の問題として指導の目標を明確におさえることをしっかりやらなければならないと思う。(中数)
・目標分析の方法がわからず自信をもって評価ができないでいる(小中算)
・具体的な評価法,その観点や実践例など資料がほしいと考えている。(小高国)
・目標分析を十分行って評価を行いたいが,目標分析のし方の資料がほしい。(中国)
・日常,単一時における評価のあり方に配慮し,本時のねらいに即して行動目標を提示しそれに添って評価を実施しているが,目標分析の方法がわからないため,行動目標が生徒のためになるものか問題である。(中社)

また,「評価の客観化」を図るため,学校全体,学年会あるいは,教科部会として「評価基準」について共通理解をもつ必要があるという意見も多い。

・評価基準を学校としてもっと明確にしていきたい。(小中国)
・学校全体として評価に対する共通理解を図るための具体的な対策がたてられていないため,学年,学級ごとまちまちになっているようだ。(小高社)
・学年や教科部会などで,教科の特性をふまえた評価基準に対する共通理解を図る必要がある。(小高体)
・授業と評価については,各教科の創意工夫にゆだねられているため,多様にある評価場面の「どこを」「どのように」とらえたらよいのか活用の方法と合わせて模索している。(中美)
・学校独自の各教科・領域の到達度の基準の設定を手がけているが,信頼度については,不安が残るので信頼度を高めるためのサンプルがほしい。(小高国)
・観点別到達度評価の各領域の具体的観点と評価基準を本校なりに話し合っているが,他の学校の実例がわからない。(小高社)
・観点別評価を行う場合,学校内だけの基準でなく,例えば,各管内ごとに基準があればすっきりしたものになるのではないか。(中社)


(2) 評価の活用について

・今まで評価については,あまり考えて授業を進めていなかったが,県教育センターの研修に参加して指導案を作成したり,評価を勉強しその大切さを痛感している。生徒に教えたことを何らかの方法で評価しなければならないと思い,少しは取り組んできたが時間の関係で本気に取り組めなかった。(中国)
・指導と評価の一体化ということは,日ごろから心掛けてはいるが平常の授業の中でどのように生かせばよいか悩んでいる。(中保体)
・評価は,児童生徒に意欲をもたせるものと


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