研究紀要第56号 「学習指導と評価に関する研究 第1年次・実態調査」 -037/053page

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また,評価を活用するためにどうすればよいかということについては,次のような点をあげている。

1.指導内容の精選を図る。
・指導・評価・再指導が十分できるよう指導内容をもっと少なくしていきたい。(小高国)

2.学校や学年として,評価の活用の方法・手だての研究をすすめる。
・評価の結果を児童の個人差に応じて有効に活用する手だてをもっと研究部や学年で検討すべきである。(中英)

(3) 学カ、能力の低い児童生徒の「指導と評価」について

・個人の到達目標と全体の評価の基準への位置づけで悩んでいる。(中保体)
・生徒個人の理解が十分でないので,個人の到達目標に対しての達成度,伸長度の評価をしていない。これから取り組まなければならない分野だと思う。(高社)

 児童生徒の学力,能力が多様化しているので,全体の評価基準に一人一人の児童生徒の到達目標をどのように位置づけ評価すべきか苦慮しているようである。なかでも,学力,能力の低い児童生徒の評価に当たって,どこに到達目標をおくか,悩みが大きいようだ。

・成績が不振な者に対する評価をどのようにすればよいか。(小中数)
・能力の低い生徒に対する評価の手だてについてよくわからないので,どうしたらよいか悩んでいる。(高数)
・校内において三つの科があり,生徒の学力差が大きい。その上,クラス内においても学力差が大きいので統一的な基準では評価しにくい。(高社)
・地域や学校によって学力差があるのは,止むを得ないことであるが,一律の評価の態度でよいものか,評価法にも差があってよいものか考え悩んでいる。(中数)
・学年の目標に合わせた評価を行うが,特に下位の児童を救うための評価基準をどのように定めたらよいかなどについて考えさせられることが多くある。(小中体)
・能力差に応ずる目標をどのように設定し評価すればよいか悩んでいる。(中国)
・生徒の学力差が大きすぎて授業のレベルをどの程度にして実施したらよいかわからない。(高国)
・学力の低い生徒について,高校生としての到達目標をどの辺においたらよいか。(高数)
・共通問題では,生徒間の差がありすぎて評価が難かしい。(高社)

また,学カや能力の低い児童生徒の評価については,次のような問題も提起された。

・身体を動かすことが好きで,一生懸命努カしているが設定された到達目標には,到達できない生徒,さほど努力しなくとも到達目標にすぐに到達する生徒などの評価の方法で迷ってしまう。(高保体)
・めあてを個人ごとに決めてその達成について評価するが,どうしても体育の場合,できる児童は良く,できない児童は悪く評定しがちで,努力しないでもできる児童は3,できなくとも一生懸命努力する児童を5と評定することができない点に悩んでいる。(小中体)
・実技を伴う教科としての特質であろうが,いくら努カしても技能の向上が望めない。しかし,個人的に目標を持たせ精一杯努力して到達したとする。さて,全体的な位置づけは,どの辺にしたらよいであろうか。一人一人の基準がわかり,あまり抵抗なく評価できるような方法はないものであろうか。(中家)
・努力しないができるものと,一生懸命努力してもできないものをどのように評価すればよいか悩んでいる。(高保体)
・出席も大変よく,授業態度もまじめで,発問にもきちんと答え,一生懸命がんばっているが能力が低いためにテストはいつも悪い生徒に対してどのような評価をしたらよいだろうか悩んでいる。(高数)

すなわち,一生懸命努力はするが,学力,能力


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