研究紀要第56号 「学習指導と評価に関する研究 第1年次・実態調査」 -038/053page

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が低いために,その努カに見合った成績を上げ得ない児童生徒の評価についての悩みである。
 学カ,能力の低い児童生徒の評価について,さらに,次のようなものも出されている。

・評定1〜2レベルの学力,能力の低い児童を観点別到達目標にしたがって評価すると,おおむね「一」の評価になってしまう。しかし,そのような児童であっても,個人内評価によって何らかの伸長度を認め,その児童の努力を評価する方法はないものか。(小中理)
・平均点が学校と教科で決められているので全体的によくなっても相対的には同じなので生徒の評定は依然として変わらず,学力・能力の低い生徒は,いつも評定が低いということになっている。(高美)

 また,それぞれの学校においては,このような到達目標に達していない学カ,能力の低い児童生徒のために,授業中,授業後あるいは,休み時間において,補充指導を行うなどの手だてを講じているようであるが,その指導の時問が十分とれないため,あるいは,人数などが多いなどのために満足いく指導ができないでいるのが実情のようだ。

・評価のフィードバックの機能が時間がなくて十分生かせないでいる。(小中算)
・学校の仕事や会議が多く,学習の遅れている児童のための個別指導の時間がなかなかとれない。(小低国)
・能カの低い児童のための個別指導に努カしてはいるが,多人数(45名)のため,一人一人に指導してやる時間が少なく,また,補充を要する児童への徹底した指導をする余裕もない。(小中国)
・補充指導は,放課後行いたいと考えているが,なかなか時間がとれない。また,教師側には時間があっても,生徒の方の生活のスケジュールがあって,できない事が多い。生徒は,休み時間には遊びたいし,帰りは残りたくないようである。したがって,授業時間中に少しずつ補充している。(小高数)
・目標に到達していない生徒に対しての指導を放課後などにとることも時間がなくとれないことが多い。(中数)
・指導→評価→指導とたえずフィードバックして授業を進めていくのが児童たちのためにも良いとわかっているが,実際は計画にそって進めていくのが精一杯である。結局,落ちこぼしてしまっていることになると思う。(小中国)

(4) 情意面(関心・態度など)の評価について

・情意面(関心・態度)の評価が難かしい。(小低国)
・情意面(関心・態度)の評価がわからない。(中数)
・情意面(関心・態度)が困難である。(中国)
・評価の中でも,特に情意面(関心・態度)の評価方法がむずかしい。(小低理)
・知識・理解の評価を重視する傾向があり,情意面(関心・態度)の評価がおろそかになっている。(中社)

[設問 27] の自由記述の項目においても以上のように,情意面(関心・態度など)の評価は,「わからない」,「むずかしい」,「困難だ」とする回答が非常に多かった。

・情意面(関心・態度)の評価のし方をどのように工夫したらよいか。(中社)
・情意面(関心・態度)の評価の具体的な方法は,どのようにしたらよいか。(中家)
・学習意欲や関心をどのように評価したらよいか。(小高家)
・「関心・態度」の評価法について適切なものを見出せないで困っている。(中理)
・「関心・態度」などの情意面の評価についての観点があいまいで評価するのに不安である。(小低算)
・観点別到達度テストの作成は,一応うなずける。知識・理解については,可能な面もあるがr関心・態度」については,適切な方法を生み出せないでいる。(中社)

というように,情意面(関心・態度など)の評価のための手段・方法がわからないという悩みで


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