研究紀要第57号 「学習意欲を高める心理的治療の実践研究 第2年次」 -004/044page
(教科や学習内容などによって学習意欲にムラが生じている。)
(ウ)自己評価と他者評価との差が著しい児童生徒(自我意識や認識能力が劣るなどの問題を含んでいると考えられる。)イ.選択した児童生徒の身体・健康面や知能検査・学業成績などの資料で問題点をより明確にし心理的治療を行う児童生徒を決定する。
5.学習意欲検査について
ア.得点集計
学習意欲検査は8因子40項目(各因子5項目)より構成されており,質問紙への応答は,各項目に対して「とてもよくあてはまる」「どちらかといえばあてはまる」「どちらかといえばあてはまらない」「まったくあてはまらない」の4段階で評定するようになっている。
学習意欲の高いほうから,4,3,2,1点を与える。得点の集計にあたっては,8因子のうち,「失敗回避傾向。」「反持続性。」「反(学習)価値観。」は学習にとってマイナスの意味を持つものなので,その得点を逆転し,それぞれの傾向の弱い方が高得点となるようにしている。
例えば,N得点の3因子の中の「反持続性。については,5項目の問題(31から35)があり,それぞれに1-2-3-4と回答のための選択肢が用意されている。児童生徒が4を選択したら1点,1を選択したら4点として得点を集計する。イ.使用対象
学習意欲検査の使用対象範囲としては,小学校(4・5・6年)と中学校が指示されているが,それ以外の学校・学年は現在のところ適用されていない。6.個人プロフィールの利用について
ア.学習意欲検査の個人プロフィール表の活用の仕方
(ア)プロフィール表は小学校4・5・6年用と中学校用とに分けられている。(イ)8因子ごとの得点を横軸に,1から20まで目盛り,段階点の幅を同じにした。
昨年は得点幅を同じにしたため,段階をとらえるのに困難を感じたが,本年はその点を改善した。
(ウ)点線は各段階を示し,横軸の小さな数