研究紀要第60号 「『関心・態度』の評価に関する研究」 -042/049page

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(3) 検証授業の結果からの問題

1 小単元の目標の評価をどうするか

 検証授業の中で行われた評価は,その全てが下位目標の評価であったので,小単元の目標の評価をどうすべきであるかについては,言及することができなかった。従って,ここに,小単元の目標の評価の一試案を示し,その実践と,それの考察については,今後の課題にしたいと考える。

 (1)の目標分析と「関心・態度」の評価において,下価目標4の評価の考察に6名の子どもの文章例を示してあり,それらを評価基準に対応させ,A,B,C,Dの4段階で評価している。

 この目標は,目標分析の結果,小単元の目標と深いかかわりを持っていることが分かっているので,下位目標4の評価を小単元の目標の評価の一部とすることができる。

 しかし,下位目標4の評価は,自己評価法の作文法によって行われたものであり,実際に,「水資源の利用と確保」に関する学習の追究場面における子ども一人一人の「関心・態度」を,指導者は,観察して,評価しなければならない。

 検証授業3の後で行われた授業の追究場面で,指導者は,子ども一人一人の学習活動を観察し,a,b,Cの3段階で評価した。これを,先の自己評価法による下位目標4の評価結果と合わせると,次のようになる。

 H・N → Aa 
 K・K → Aa 
 H・S → Ba 
 E・K → Bb 
 T・N → Ca 
 T・U → Cb 
 H・M → Db 
 M・H → Dc 

 これを,24ぺ一ジの表7に合わせてみると,H・N,K・K,H・Sの3名は,十分達成。E・K,T・N,T・Uの3名は,おおむね達成。H・M,M・Hの2名が達成不十分ということになる。

 以上のような方法についての検討は,まだ,十分になされていない。

2 評価方法の有効性の吟味をどうするか

 評価方法については,もっと多くの方法を取り上げ,実践し,検討すべきであったが,3回の検証授業の中では,(2)に述べたような,観察注と自己評価法に限られてしまった。特に,相互評価法については,今回の学習の目標や内容とのかかわりで,実践の機会が得られず,その特色や利用上の留意点などについて明らかにすることができなかった。

 また,それぞれの評価方法の特色や留意点について,いくつかの実践をもとに集約し,「妥当性」,「信頼性」,「実用性」について十分な検討を加えることができなかった。

 さまざまな評価方法について,その有効性をいっそう確かめていかなければならない。

3 評価結果を指導に生かすためにどうするか

 評価は,子ども一人一人の学習に具体的に生かされてこそ意義がある。つまり,フィードバックはどうあるべきで,それが,どう効を奏し,その後の学習にどう影響したかまでを見きわめる必要がある。検証授業では,フィードバックのねらい,内容,方法などについて具体的に示すまでにはいたらなかった。

4 評価の回数をどうするか

 3回の検証授業で数多くの問題解決を図ろうとしたため,平常の授業では多すぎる評価同数を盛りこむことになった。1単位時間内に1ないし2場面,最適な機会をとらえ,的確な目標分析をもとに評価することが大事である。

「検証授業皿」「えー, 18,000個分だって」
「検証授業皿」「えー, 18,000個分だって」


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