研究紀要第61号 「生徒指導に関する研究」 -017/043page
耐性特性〔意志力(意欲・やる気)〕 学校生活の場面
〔児童生徒〕
問い あなたは,学校で係や当番など決められた仕事をどのようにやっていますか。 〔教師〕
問い あなたの学校の児童生徒は,学習や作業に意欲的に取り組んでいますか。 のように「やらない」とみることのできるのが,合わせて小・中とも30%もあることに注目したい。
また,教師への設問は,学習や作業という広い領域から児童生徒の意欲・やる気をどのようにみているかをとらえようとしたものである。調査結果によると,選択肢3「たいてい取り組んでいる」が小学校72%,中学校65%となっている。一般的に現在の児童生徒は,学習や作業などに対して,ともすると意欲に欠けたり,投げやりな態度を示したりするという指摘もあるが,学校生活を見る限りでは,教師は,児童生徒が積極的,意欲的に取り組んでいるととらえている。
しかし,選択肢3で明らかなように,小・中の教師とも都市部に比べ町村部の方が「たいてい取り組んでいる」という回答が多く,その差は,小学校で7%,中学校で16%にもなっている。この結果から,都市部より町村部の児童生徒の方が学習や作業に意欲的に取り組む比率が高いと言える。
これらのことをまとめてみると,児童生徒には,おおむね意欲・やる気があるとみることができるが,マイナス傾向をもつ児童生徒が少なからず存在することも見逃しにできないことである。