研究紀要第61号 「生徒指導に関する研究」 -022/043page
耐性特性〔自己統制力(自律心)〕 家庭生活の場面
〔児童生徒〕
問い 「ここで遊んではいけません。」と立てふだがあるのに遊んでいる人がいます。友達に「遊ぼう。」とさそわれたら,あなたはどうしますか。 〔保護者〕
問い あなたのお子さんは,地域や学校で禁止している場所へ行ったり,そこで遊んだりすることがありますか。 調査対象者への設問の違いはあるが,家庭場面における児童生徒・保護者と学校場面における児童生徒・教師の回答は,反対の傾向を示している。
家庭場面においては,選択肢3,4を合わせると,小学生約80%,中学生約70%,保護者もまた約80%が,禁止場所への立ち入りやそこでの遊びが,「あまりない」としている。これは望ましいことではあるが,児童生徒への設問の場合,現実に遊んでいるかどうかでなく,「どう思うか」という選択肢なので,予想以上に選択肢4に集中したのであろう。実際の行動を調査すれば,もう少し選択肢2の割合が大きくなるものと思われる。また,中学生は,選択肢1,2を合計すると,小学生より約1O%多くなっており,規範に対する意識の違いなどから,よくないことでも誘われると断わりきれずに,行動を共にしてしまうという傾向がうかがわれる。
保護者への設問は,児童生徒の場合とは異なり,現実の子供の姿を聞いたものである。「ときどきある」が多くなるだろうと予想していたが,回答が選択肢3,4に集中したということは,子供の考えとその実際の行動をみている親との問には,