研究紀要第61号 「生徒指導に関する研究」 -025/043page
耐性特性〔自己統制カ(抑止力)〕 学校生活の場面
〔児童生徒〕
問い あなたは,自分から,あるいは友達にさそわれて,やくそくやきまりをやぷったことがありますか。 〔教 師〕
問い あなたの学校の児童生徒は,友達などといざこざがあったようなとき,自分の感情や行動をおさえることができますか。 回答が得られた。
ここで注目しなければならないことは,友達に誘われると自分を抑えることができないで「約束やきまりを破ったことがある」者が,半数以上もいるということである。更に「ときどきある」と前問の選択肢2「あまりできない方である」の小学生の回答をみると,都市部の児童生徒が町村部のそれよりも約10%多く,都市部の子供の方が抑止力に欠けるとみることもできる。
教師も,「だいたいできる」が半数を越えているものの,40%近くが「あまりできない」とみており,教師の指導のもとに集団生活を営んでいる学校生活においてさえも,抑止力に欠ける児童生徒がかなりいることを裏付けている。
抑止力の乏しさは,ともすると自律心あるいは規範意識の低下などともかかわり,自己の行動の望ましくない行動が抑制できなくなってしまい,問題行動にまで発展することが懸念される。種々の困難に打ち勝って目的を遂行したり,付和雷同に流されずに自制した行動がとれるような児童生徒を育成していくことが大切である。