研究紀要第61号 「生徒指導に関する研究」 -034/043page
4 保護者・教師の望む子供像
問い あなたは,あなたのお子さん(あなたの学校の児童生徒)をどのような子供に育てたいと思いますか。次の項目から3つ選んでください。 保護者,教師の望む子供の性格は,「思いやりのある子」,「責任感のある子」,「素直な子」が多く,両者には大きな差異はみられない。
いずれの選択肢も,望ましい子供の理想像として大切であるが,中でも「思いやりのある子」を第一位としていることは,今日問題とされている「いじめっ子」とか「校内暴カ」等の問題からみても共感できるところである。
ともすると,最近の子供は,一人よがりで相手をいたわる心に欠け,自己中心的であるとの見方もできる。そのため,思いやりということが人格形成上欠くことのできないものであるとの考えから第一位に挙げたものと推測できる。
また,「根気強い子」,「がまん強い子」を合わせて考えてみると,保譲者も教師も約半数の者が,「根気強く,がまん強い子」になってほしいと期待していることが分かる。このような両者の見方は子供自身の耐性の欠如を裏付けているものと言える。
要するに,親も教師も「素直で思いやりがあり」しかも,「責任感があって,ねばり強くやりぬく子供」に育てたいと強く願っていることが分かる。