研究紀要第62号 「事例を通した教育相談の進め方に関する研究 第1年次」 -025/049page
● 問題性予測検査(DAT)
検査結果から見ると,家庭不適応,対人不適応・性格(思考的)が危険性大であり,ASS得点も高く,意志が弱く,思慮性に欠け,自分の行動を冷静に考えて行くことが困難である。
ー社会的次元ー
● 家族構成
● 家族関係
小学校入学前まで母親は家事専業で何らかの心の結びつきが保てた。入学後は母親も勤めたため密着する時間が少なく,不安や甘えを適切に昇華することができなかった。学習面でも,手伝いでも両親からほめられたことがなく,不満や淋しさを常に抱くようになった。特に父親からのやさしいことばかけはほとんどなかった。
● 家族成員の性格と養育態度
本人は両親を厳格で拒否的な態度を常にとると見ている。父親は子供の能力以上の要求をしたり,子供の希望より親の考えをおしつけやすく,また,思うようにならないと拒否的態度をとる。母親も期待感が強く,拒否的な態度は父親以上であり,心配で常に干渉する。両親とも養育態度に矛盾があり,特に母親は父親との間に不一致感を強く抱いている。
● 教育に対する関心