研究紀要第62号 「事例を通した教育相談の進め方に関する研究 第1年次」 -040/049page

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  事 例 7 (高等学校 2)

         性的逸脱行動をした女子生徒の事例

1. 主訴   性的逸脱行動

2. 対象   高等学校1年 女子

3. 問題の概要

 本人は三人姉妹の三女に生まれ,小・中学校とも,何の問題もなく過ごしたが,高校入学以来,交友関係のまずさから,喫煙,万引,異性交友などの問題行動をくり返し,その度に指導を受けた。

 今回は,女子の友だち数人と日ごろから気に入らなかった女子生徒を呼び出し,夕方,体育館の体育用具室で,裸になることを強要し,サインペンでからだにいたずら書きをし,笑いものにするなどの逸脱行動をした。

 しかし,本人は,自分からすすんでした行動ではなく,仲間のつきあい上仕方なく参加したものだと述べている

4. 資料

 (1) 本人

● 身体の発達と特徴

 乳幼児期から母親が中心になって養育し,身体の発達については特に問題がなかった。

 初潮は小学校6年の1O月,以後やや不順ではあるが,正常範囲であり,生理痛はほとんどない。

 小柄ではあるが,きりっとした体型で,筋力もある。

 その他,睡眠,起床,生活時問の配分など特に問題はない。

 (2) 家族歴

● 家族構成

 父ー47才,地元の職業高校卒業以来,家業の農業(主として稲作と桑園)に従事し,かなりの収獲を上げ,農業経営のリーダ的存在で信望がある。性格は,まじめできちょう面であるがやゝ弾カ性にとぼしい感じがする。

 母ー45才,普通科の高校を卒業,24才で結婚以後・夫と共に農業と育児に従事してきた。おだやかで話好きだが芯は強いところがあり,家庭内のことについては,中心的役割をはたしている。

 姉(長女)ー20才,高校を卒業するとすぐに地元の銀行に就職し,大変仕事熱心で明朗であり,同僚からの評価も高い。

 姉(二女)ー18才,高3,成績が良く,姉妹の中で一番背が高く,身体的にも性格的にも目立つタイプである。

 本人(三女)ー16才,高1,明るく活発であるが成績がややふるわず,からだも小柄であるため,どうふるまっても姉(二女)にはかなわない,見劣りすると思っている。

● 家族関係

 夫婦仲は良く,共に農業経営にはげみ,収獲など,経営成績も順調である。

 子供たちにも,わけへだてなく愛情をそそぐように努カしてきたようであるが,本人が生まれたとき,三人目の娘ということもあって,また娘かと,特に父親が落胆したことが,その後の子育てに何か悪い影響があったかもしれないとの不安をいだいている。

 本人は,三人姉妹の三番目に生まれたために,生活用品などは姉たちのお古がまわってくることが多く,自分は損な生まれ方をしたと述べている。

● 本人の述べる家族システム


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