研究紀要第62号 「事例を通した教育相談の進め方に関する研究 第1年次」 -041/049page
(3) 心理検査
1 本人に対する心理検査
判定はB´型であるが,A型傾向が強く,本来A型であったのが,何らかの要因によりB型的特性を持つようになったものと考えられる。
従ってB型的特性を減少させることが望ましい。
規範逸脱傾向(常規を逸した考えや行動をとりやすい傾向)と性格的な問題(意志が弱い,軽卒など)が多少感じられるが,学校,家庭,対人適応などは良い。
自我が未分化で子供っぼく,特に大人的自我の発達が悪い。従って理論的に考え,行動するのが苦手で,衝動的な行動にはしりやすいと考えられる。
2 親に対する心理検査
「どちらでもない」の項に多く反応しており予想もしなかった子供の問題におどろき,どうしていいのかわからない,いわゆる自我の混乱をおこしている状態なのであろう。両親とも極めて自我エネルギーが低い。これも一時的なものであると思われる。
拒否,矛盾型であり,当然子供は,親に十分受容されているとは感じていないことが予想されると共に絶えず予盾した養育態度にぶつかり