研究紀要第62号 「事例を通した教育相談の進め方に関する研究 第1年次」 -043/049page

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 指導開始2か月後,10回目の面接時に実施したDATの結果は次の通りである。

問題性予測検査(DAT)

8. 考察

 DATにみられるように指導仮説に示した目標に向って改善されつつある。

 指導の経過中に直接問題行動にかかわる話題は本人との間ではでなかったが,担任からの情報も親からの情報も問題行動が改善されていることを伝えてきた。

 特に部活動(卓球部)に熱を入れていた。はじめのうちは練習の苦しさなどを訴えたが,両親が,交代で学校に迎えに行ったり,本人の好物を夕食に出してはげますことなどを続けたところ意欲的にとりくむようになり,ごく自然に友人関係が改善されてきた。

 DATについてみると規範逸脱傾向について更に改善されればと思う。

 両親,姉,本人,担当者での家族カウンセリングを実施した結果,それぞれの立場での苦しみや悩みを相互に理解し合える様になり,家族相互の会話が一層スムーズに運ぶようになり,家族としての結合が一段と強くなった。

 この時本人が描いた家族システムは次のものである。

家族システム

 このシステムからみても,本人の意識としての家族問題が改善されていることがわかる。


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