研究紀要第64号 「生徒指導に関する研究」 -002/046page

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II 研究の構想

1. 研究の視点

 本研究は,連帯感の概念及び生徒指導と連帯感のかかわりをとらえるとともに,「連帯感を育成するための指導はどうあればよいか」について研究し,小・中学校における実践例を中心にまとめようとするものである。


2. 研究計画

 4月  研究計画及び基本構想の確立
 5月  連帯感の概念把握
 6月  連帯感についての調査
      研究協力員会議
 7月  実践構想の確立
      研究協力員会議
 8月〜10月 研究協カ校における実践研究
 11月  実践事例の報告と検討
 12月  研究のまとめ


3. 研究協カ校における実践テーマ

事例1 学級会活動を通した連帯感の育成

事例2 清掃活動を通した連帯感の育成

事例3 部活動を通した連帯感の育成

事例4 学級づくりを通した連帯感の育成

事例5 学校行事を通した連帯感の育成



III 研究の内容

1. 連帯感の概念

 連帯感については,筑波大学教授,原野広太郎氏が,「教室で生きる教育心理学」(学陽書房)の中の第4章の3「学校生活における児童の連帯感」の冒頭で述べている次のことを,連帯感の概念ととらえることにした。

 2人以上寄り,互いに親和の感情を示し合い,共通の目的をもって活動しようとすれは集団が構成される。
 こうした集団の中で,その集団に所属したい欲求と,互いに親和の感情をもち合うところに連帯感が生じる。
 すなわち,集団への所属感,集団成員問の親和感,集団の目標志向性をともにもち合っているときの感情的態度が連帯感である。
                                〜(以下省略)〜

 また,本研究では,上に述べられている「集団への所属感」「集団成員間の親和感」「集団の目標志向性」の三つを,連帯感を構成する要因としてとらえた。

 学校には,学級をはじめ大小さまざまな集団があり,それぞれの集団で教育活動が展開される。
 これらの集団が形成される場合,成員同士の最初の結びつきは,「親和の感情」とか,「共通の目的意識」などが誘因になっている・ことが多い。
 一方,集団の中には,集団が初めに決定づけられていて,成員の感情や意識を基盤としないで集団の構成がなされることもある。
以上のように,集団が形成されていく初めの段階では違いがあるが,いずれの場合であっても,諸教育活動の中で児童生徒が「集団」に所属し,お互いに協力し合って活動していく過程で,「親和感」や「目標志向性」や「所属感」


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