研究紀要第64号 「生徒指導に関する研究」 -015/046page
後半少しだらけてしまったが,初めてサードを守り気分がよかった。しかし,ボールが1回もこなかったので,ホッとしたり残念だったりで,複雑だった。とても楽しいソフトボール大会でした。」と反省記録に書いている。
この思いは,事前の活動からみんなでよりよいものにしようと練り上げていった努力の成果であると思われる。
この満足感が,「またやってみたい」という声に現れ,集団での活動のすばらしさを感得したものとみることができる。活動の反省は,<表6>のような「反省カード」を用いて行い,次回に生かすように努めている。4. 結果と考察
係活動に関する意識調査の変容をみると,全体的に大きな意識の高まりをみせている。特に大きな変容をみせたのは,「仕事に進んで取り組んでいる」と「めあてをもって活動している」で,50%以上も増加している。次に,「よく話し合って活動している」「満足感を味わったことがある」「学級の役に立っている」も大きく伸びている。
これは,児童一人一人に具体的な活動場面が設定され,その活動を通して,自分が学級のみんなのために一役担っているという自負や,自分のした活動が学級全員にかかわっているのだという有意感などに満たされ,係の活動を行う喜びを感じ取ることができるようになってきたためと考えられる。すなわち,児童一人一人の所属感や学級の成員同士の連帯感が高まり,常時の活動が目的的に展開されるようになってきたといえる。
集会活動も,計画・準備の段階から一人一人に役割が分担され,互いにその責任を果たそうと努カすることによって,「みんなでつくりあげていく集会」がいかにすばらしいものであるかを感得しつつある。
係活動も集会活動も,児童一人一人が生かされ,集団で活動することのすばらしさを味わうことができたときに,互いの努力と協カによって,アイディアに富み,より充実した活動をさらに求めるようになってくるものである。それらの活動を繰り返し実践し,集団での喜びが積み重なっていくことにより,学級集団への所属感や互いの親和感,そして,目標に向かって努力する集団の目標志向性が高まってくるものと考える。