研究紀要第64号 「生徒指導に関する研究」 -019/046page

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にもつながっている。
 さらに,リーダーを固定しないで,できるだけ輪番制とすることは,支配的な雰囲気をなくし,児童全員が責任ある立場を経験することから班員がみな平等であるという意識の強化や学級全体の望ましい人間関係の醸成に役立っている。

3.班カードの作成と活用
 次のような班カードを作成し活用している。
ア 児童一人一人の清掃活動の様子や,班の取り組みの姿をとらえる一資料として用いるとともに,個人や班としての自覚を促すことを主なるねらいとする。
イ 個人の自己評価,ペアによる相互評価,全員による評価のそれぞれの場を設定する。
ウ 学級としての全体評価は,土曜日の業間時に行い,他の班にも知らせ合うようにする。

<班力一ドの実際例>
<班力一ドの実際例>

 この班カードは,教師が意図的に作成を図ったものであるが,児童の意見を反映させ,児童たちが作成したという意識を持たせている。
 学校で設けている5項目のほかに,班や自分のめあてを書く欄を設けたのも児童の考えによる。また,前述した帽子の色を変えるのと同様に,このカードに記入するから清掃に励むという考えではなく,清掃に対する自己の反省と向上,班としての進歩に役立たせるためのカードであることを理解させるようにしている。

4.学級指導や道徳の時間の指導を通して
 児童が強要されて清掃を行うのではなく,勤労の意義を正しく把握し,意欲的かつ主体的に清掃活動を行うようにするため,学級指導や道徳の時間の指導を通して内面化を図るよう努めている。
 次は,学級指導の各学年の基礎ともいえることについての概要である。

ア ねらい
 個人の清掃活動が,作業の能率化や清掃の目的達成へつながることを理解させ,協カし合って活動しようとする態度を育てる。
イ 主な学習活動・内容
 ア)清掃のねらいについて話し合う。
  ○家庭での清掃について
  ○学校での清掃のねらいについて
 イ)自分たちの清掃のしかたについて話し合う。
  ○清掃に対する考えや態度
  ○みんなで注意しなければならないこと
 ウ)清掃を行う時の心構え,方法などについて話し合う。
  ○一人一人の心構え
  ○清掃区域の特徴
  ○清掃カードの活用
 エ)なかよく,楽しく,きれいに清掃を行うにはどうすればよいか発表し合う。
 オ)決定事項を確認し合う。(室内に掲示する)
 学年によって差異はあるが,清掃活動をよりよく行うため,集団と個のかかわりから意識させ,目標達成を目指し,班員同士の協力を強固なものにしていくようにしている。

5.班日記と仲間づくり
 清掃活動ばかりでなく,班を中心として児童相互の仲問づくりに役立てるため,班日記を継続している。

ア ねらい


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