研究紀要第64号 「生徒指導に関する研究」 -023/046page
とする根気強さに欠ける。
(2) 実践の場及び方法
以上述べたような問題の解決を目指し,部員の連帯感を育てるため,次のことを実践していくことにした。
1.活動目標の決定
活動目標を全員で話し合い,自らの手で決定することによって目標意識をはっきりもたせる。
2.組織の改善
反省を生かし,新しく係を設け,一人一人が責任をもって役割を果たすようにする。
3.練習の心得の作成
練習の心得を作成し,集団のきまりを守ってみんなと協力しながら活動する指針にする。
4.活動日誌の活用
活動日誌を記録し,日常の活動の反省などに活用することにより,部員の相互理解を図りながら活動への充実につなげる。
5.グループ活動の導入
グループ活動の導入によって活動の効率化を図り,併せてグループ内の集団意識を高める。
6.日常活動の工夫と改善
ペアの交換による練習を取り入れ,できるだけ多くの成員同士がふれあえるようにするとともに,活動終了時のもち方を工夫する。
3 実践の内容
(1) 「活動目標」の決定
これまで顧問と役員だけで活動目標を決めていたため,全員のものとしての意識が不十分であった。そこで全員で話し合い,目標を設定することによって,自分たちでつくった自分たちの目標であるという意識を高めるようにした。
例えば,従来は試合の勝敗にこだわることが多かったがそれよりも目標の達成に向けての日常の練習や努カ,協力する態度がより大切であることに気づき,目標に基づいて練習しようとする気運が高まった。
女子バレーボール部の活動目標
○全体としての目標
・全員が力を合わせ,バレーボール部のよい伝統をつくろう。
・チームワークとスポーツマンシップを大切にしよう。
・試合や練習は,全員で励ましあい,助けあってのぞもう。
○個人としての目標
・いつも目標をもって練習しよう。
・きまり(練習の心得)をよく守ろう。
活動目標の意識化は図られたが,目標達成に向けて具体的にどのようにすればよいのか戸惑う姿がみられ,そのたびに部員相互の話し合いを通して工夫がなされ,次第に活動の充実がみられるようになってきた。
例えば,ファインプレーには自然と拍手がわいたり,苦しい場面では励ましの声援がとぶようになるなど,相手を尊重したり,思いやったりするようになってきた。
このような望ましい関係が生まれたことにより,部活動を休む生徒も次第に減少した。しかも,日ごろのこうした活動をすることによって,全員が心を一つにして取り組むことがいかに大切であるかという自覚がでてきたことは,大きな収穫であったといえる。(2) 組織の改善
従来の役員は,三役しかなく,それを部会で決めていただけであった。
そのため,役員以外の役割分担や責任の所在